第46話 突入【その壱】
・・・・・・
「まあいいわ。夏休みに予定が無いんなら…わ、わた…わたしと」
ピロリロリンピロリロリン…
「あ、ごめん、電話だ」
「(ムキィィ!!タイミング!)
どうぞ。」
「もしもし…げぇ!?
お、お疲れ様です。先日はありがとうございました。凄く助かりました。
え?今から!?ちょ…はぁ。
わかりました…お待ちしてます。」
ピッ
「なんだか憂鬱を画に描いたような顔ね。」
「今一番会いたく無い人が今から来ることになったからね。」
「あら、それじゃ私は帰った方がいいかしら?」
ピンポーン
ピッ「はい」
「やあ、絢斗君。来たよ」
はい?
「・・・・。
なんでマンションまで来てから連絡してくるんだよ!!!俺に拒否権は無いのか!?」
※ほぼありません。
~~~~~~~~~~~~~~
大和「やあ、こんばんは。
おや?お客さんだったのかな?
可愛らしいお嬢さんだね。
初めまして、
絢斗君の叔父の大和琉聖です。」
絢斗「叔父じゃないでしょう!」
大和「似たようなもんじゃないか。
で?こちらのお嬢さんを紹介してくれないのかい?」
檸檬「初めまして、里見樹里です。柚子檸檬として絢斗さんのサポートをしております。」
絢斗「あ、言っちゃっていいんだ?」
檸檬「あなたの叔父なのでしょう?隠す必要はないわ。」
大和「ほほぅ、あの柚子檸檬先生か。良いのは見た目だけじゃないね、礼儀作法もわきまえているようだし人を見る良い目もお持ちのようだ。」
檸檬「褒め言葉として受け取っておきます。叔父様、今日はどういったご用件だったのでしょう?」
・・・・・・
ぉぉぉおお叔父様キターーーー!!
なんなんだよ!
美少女の叔父様呼びとか破壊力強すぎだろ!
俺にはわかる。顔に出てはいないがあの大和さんがほんのりデレてるのが!
大和「い、いやぁ、参ったな」
ほぉらどもった。
大和「少し前に絢斗君に貸したモノがあってね?それを返してもらいに来ただけなんだよ」
そらきた。
そんな事だろうと思ったよ。
どうせ碌でもない俺が嫌がりそうなことをさせにきたんだ。
大和「今度無人島で撮影するんだけどアシスタントのバイトを頼もうかと思ってね。」
絢斗「無人島って…危なくないですか?」
大和「ニヤリ…そうだろう?危ないと思うよね?モデルの子とアシスタントと3人だけなんだよ。」
絢斗「モデル…?」ピクッ
大和「絢斗君もよく知ってる子だよ」
絢斗「ハァ…お断りし」
大和「彼女の健康的な水着姿を撮りたくなってね?」
絢斗「み、水着?」ピクッ
大和「気分がのればヌードとか」ニヤリ
絢斗「ぬ、ぬーど!?」ゴクリ
大和「ま、冗談は置いといて。未成年のヌードなんて撮れるわけないだろ?捕まっちゃうよ。」
こ、この野郎…
大和「この前の雑誌の撮影からアパレルのオファーが凄くってねぇ、どうしても断れない筋からもオファーが来ちゃって。そこで東雲さんを思い出したんだよ。」
絢斗「はぁ…」
大和「今回手伝ってくれれば貸し借りは無しでいいんだけどなぁ?」
絢斗「わかりましたよ!行けばいいんでしょ!」
大和「ハハハ、物わかりがいいのも絢斗君の良い所だよ。」
檸檬「あ、あの叔父様!」
大和「ん?」
檸檬「わ、私も!私もご一緒してもよろしいでしょうか!?」
大和「んん?う~ん、いいね、里見さんは綺麗だしモデルとしてならオッケーしよう。」
大和さんは指で四角を作って覗き込むと真面目な顔つきになり樹里に伝える。
檸檬「わ、私なんかがモデルなんてつとまりません…ですが、アシスタントでもなんでもしますので。」
大和「いやいや、そんな事ないよ?しなやかで綺麗だ。そう思わないかい?絢斗君」
絢斗「ああ、樹里は凄く綺麗だよ」
檸檬「そ、そんな…」カァァァァ…
大和「決まりかな?これで5人プラス2人だね。出発は君たちの終業式の翌日だ。」
武井「ではそのように手配いたしましょう。」
絢斗「武井さん!?いったいいつの間にいたの!?」
武井「大和様と一緒に来ましたが?気づかれていなかったと?坊ちゃまもまだまだですね。」
絢斗「え、だって樹里が来た時に帰ったから…」
大和「屋敷の方で武井さんとお話していたんだよ。その流れでね。」
忍者かよ!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます