第44話 ●リーさんのお引っ越し
学校から帰宅すると向かいの部屋が引っ越し作業をしていた。
空き部屋だったからなぁ…
里見さん?『さとみ』さんでいいのか?
ちなみにここは最上階の1つ下のフロアで部屋が2つとなっている。
さらに言うと最上階は俺の部屋の二階部分なんだが…
二階部分、つまり最上階に防音室とトレーニングルームを作ってあるので誰にも迷惑がかからないという素敵仕様だ。さすが武井さんだ。
略して…略さないでおく。
とりあえず引っ越し業者さんに軽く挨拶だけして部屋に帰った。
まずは今日の昼に投稿されたあーとの歌ってみたを確認しなくては。
最近リクエストの多かったアーティストの曲。
『ハンパなら~…』
うん、今日もいい反応だ。
いいねの伸びが素晴らしい。
あーと君早くデビューしたいなぁ…
最近はコメントにリクエストがバラバラに届くようになった。
最初の内はまとまってたんだけど
あれから7人くらいの声は出してるからなぁ。
一番盛り上がってたのは
『でもそんなんじゃだめ~…』
あの世代は根強いなぁ。色んな意味で。
さて、今日は何のゲームしよっかなぁ?
ここからが俺の、俺だけの最高の時間!
ふりーーーーだむっ!
ピンポーン
・・・・・・
い、いませんよぉ
・・・・・・
よし、諦めたな。
今日はモンスター
怪異研究レベルも上げねばならぬ。
これは使命だ。
俺のガンスが吼えるぜぇ♪
ピンポーン
・・・・・・
いないよ?
ピンポーン
いねぇっつってんだろ!
ピンポーン
まさか…これが噂の集金係!?
ピンポーン
ピッ「はい…」
「私、今あなたのマンションにいるの」
ピッ「・・・・」
え?メ●ーさん!?
ピロリロリンピロリロリン…
ビクッ「…もしもし?」
「私、今あなたの部屋の前にいるの」
・・・なんなんだよぉ!!
「い、イタズラはよしこちゃん」ピッ
ピンポーン
ピロリロリンピロリロリン…
ピンポーン
ピロリロリンピロリロリン…
おぉぉぉぉい!!
武井さーん!!
ドンドンドン!!
イヤァァァァ!!!
ガチャッ
なんでドア勝手に開いちゃうかなぁぁぁ!?
武「坊ちゃま?」
絢「だーげーいざーん」(ToT)
柚「あなた、どうして電話に出ないのかしら?ドアフォン鳴らしても出てくれないし。」
絢「おぉまえがメ●ーさんの正体かぁぁ!!悪霊退散悪霊退散…ブツブツ…」
武「坊ちゃまはホラー系は一切ダメなのですよ」
柚「だからといって何故私がメリー●んなのかしら?」
武「先生、伏せ字の意味…」
柚「そんなのどうでだっていいのよ。絢斗…怖かったのね?檸檬ママが来ましたよ?」
絢「ブルブルブル…」
柚「あぁ、可哀想に…誰があなたを怖がらせたのかしら。まったく。」
そう言ってしゃがみこんで震えている坊ちゃまの頭を豊満な胸に…豊満な?慎ましやかな胸に抱いてよしよししている柚子檸檬先生だが怖がらせたのは間違い無くあなたです。
武井談
絢「…檸檬?」
柚「そうでちゅよ?檸檬ママでちゅよぉ」
武(急にママみ…恐ろしい人だ)
柚「落ち着きまちたかぁ?あん♪そんなに頭を揺らしたら…」
絢「ふぅ…落ち着いた。さ、離してはくれないだろうか?」
柚「ダメよぉ、なんだかあなたの頭を抱っこするのが気持ちいいのよ」
絢「いや、無理」
武(檸檬先生のデレ方って独特だな…)
俺はスッと檸檬の腕から頭を抜き平静を装う。
起っきして前屈みになる前で良かった…
だって!ボリュームはそこまで無いけど柔らかくていい匂いがするんだもの!
そして男の子の
こ、これが吊り橋効果!?
※違います。
絢「で?なんで武井さんが?」
武「セキュリティーから女性がピンポンしたりドアをドンドン叩いていると連絡がありまして。」
絢「…で?檸檬は何してんの?」
柚「引っ越ししてきたから挨拶しようとしていただけよ。」
絢「檸檬の引っ越しと俺に何の関係が?」
柚「お隣に越してきたなら挨拶くらいするものではなくて?」
絢「え?だって名前が…」
柚「あなた…柚子檸檬が本名だと思っていたのかしら…」
絢「あ!そそそんなわけあるかぁい!わ、わかってたし?あれだ、源氏名だろ?知ってるし!」
柚「…」
武(坊ちゃま、源氏名は水商売の方の呼び名です…)
柚「まあいいわ。どうも、隣に越してきました
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます