第18話 ハプニング

2023年1月1日 

明けましておめでとうございます!

本年も宜しくお願いします!





俺の存在を忘れて社長と秘書は盛り上がっている。


武井さんが目配せして「坊ちゃま」と耳打ちしてきたのでそれに従い部屋をでる。


武井

「あの二人はしばらく帰って来ないと思います。

なので幸田さんに案内してもらいましょう。

幸田さん、宜しいですね?」


幸田

「はい、お任せくださ…い?え?ちょっと、誰?」


そこでスッと俺と幸田さんの間に立つ形で幸田さんの視線を遮る武井さん。


絢斗

「あ、え?」


あ、マスクとサングラス忘れてた…


すぐに装備を整えこちらをチラチラと見てくる幸田さんにビルを案内してもらう。


絢斗

「細かいとこはいいのでタレントさんが仕事で使う施設を見せて欲しいですね。」


幸田

「わかりました。

ですがタレントは基本自宅で配信しているのでこのビルには打ち合わせや3D配信や歌の収録、オフコラボの時くらいしか来られませんよ。

今日は新曲発表3D配信の収録があるので1人タレントが来ていますが薄着での撮影になりますので撮影中は見学出来ません。

ご了承ください。」


絢斗

「ああ、その辺はお任せします。」


ビルの中、とくにスタジオや配信用の部屋をじっくりと見せてもらい機材の説明も事細かく聞いた。

3D撮影のスタジオは空き次第見せてくれるらしいので

時間がくるまでは応接室に…

と思ったが応接室は社長さんと秘書さんの二人がパソコンを持ち込み

部屋中に書類をぶちまけながら激論を繰り広げていたのでタレントの待機室でマネージャーさんの話を聞く事にした。


幸田

「絢斗様は絵師はお決まりなのでしょうか?」


絢斗

「いえ、まだその辺りはノータッチで。全てはこれからですね。」


幸田

「絵師に関して言えば画風がそれぞれ違いますし

好みのキャラを描いてる絵師にオファーするといいですよ。」


絢斗

「なるほど、その絵師さん達のリストとかありますか?

できればそれぞれの代表作なども見れるとありがたいです。」


幸田

「勿論ございます。

ですが当社で取引のあるイラストレーターは全て女性なので絢斗様が求めるキャラを描けるかどうかまでは。」


絢斗

「はい、とりあえず参考までにということで。」


幸田

「わかりました。

すぐにお持ちいたしますので

少々お待ちください。」


マネージャーさんがパソコンを取りに退室する。


絢斗

「武井さん、こっちでもリストの手配ってできますか?」


武井

「お任せください。

車に取りにいきますので少々お待ちを。」


武井さんは電話をしながら車に置いてあるモバイルPCを取りに退室する。


1人になったのでスマホでブライド所属のVTuberを調べてみる。


髪の色と四季が名前と紐付いてるんだな…

 秋風 紅明あきかぜくみん

 咲楽 桃さくらもも

 夏野 空なつのそら

 粉雪 真白こゆきましろ


ってかこの秋風ってギャル子さんのオススメの子だよな?

へぇ、この事務所だったんだ。

トークもだけどゲームのプレイヤースキル凄かったもんな。


 ガチャ…


帰ってきたかな?どっちだろ…?


 女の子?誰??


女の子

「え?なんで?男!?

きゃーーー!!!!誰かーー!!」


絢斗

「え?あ!ちょ、待って!!」


女の子

「誰かーーー!不審者ですぅ!」


絢斗

「待てって!」


俺は立ち上がり誤解を解こうとするもその行動は逆効果で

彼女の目に映ったのはサングラスにマスクをしたデカい男が迫ってくるという恐怖そのものだった。


恐怖のあまり声さえ出せなくなった彼女はペタンと床にへたり込み

涙目でこちらを見上げて

「あうあう」と呟いている。

現状の俺といえば

知らない人が見れば間違いなく変質者だ。

ヤバいぞこれ!


 どうすんだ!?

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