第14話 ブライド~BRIDE~

土曜日は1日引きこもった。

動画配信みてゲームして…

夕方に一息ついた時にスマホを見たら

ギャル子さんからの連絡がむっちゃ来ててドン引きしたが

良いものを教えてもらったのでお礼の返信はしておいた。


日曜日、

バーチャルアイドルの会社内とスタジオ見学をさせてもらうという事なので

武井さんが服を用意してくれていた。


ジャージで行こうとしたら…


武井

「坊ちゃま、コンビニに行くのとは訳が違いますよ?

一応七条院グループ本社上層部の血縁者というていで行くんですから

今後のこともありますし最低限のマナーを持って行動していただかないと。

お洋服は用意してありますので

お着替えをお願いします。

あと、見た目も整えて頂きます。」


絢斗

「いや、服はいいけど髪型とかどうでもよくない?」


武井

「大丈夫です。予防の為、サングラスはかけていただきます。

実際に会うのはあちらの社長と秘書、チーフマネージャーの3人だけです。」


絢斗

「何が大丈夫です、なのか?

俺が言いたいのは整髪料とか後で落とすの面倒臭いって事で…」


絢斗

「大丈夫です。

武井にお任せけださい。」


聞いちゃいねぇ…


用意された数着のスーツファッションだが…

オフホワイト、グレー、ブラック、ブルー、レッド


ん?レッド…?


赤はダメだろ!

赤を着るのは三倍早い人か

自衛隊マニアのレーザーさんか

怪盗の三世くらいだよね!?


そして青は漫才師専用カラーな気がするんだ…


絢斗

「これ…用意したのって武井さんですか?」


武井

「もちろんです!

坊ちゃまにお似合いのモノを用意させていただきました。」


他のカラーは普通なのに

何故そこに赤や青をぶち込んだ?

そして俺にお似合いって

どういう意味だ?

深い意味はない?そうですか。

それなら仕方ないです。


しかし俺の中の武井さん像が

音を立てて崩れている気がする。

結局おばちゃん武井さん嫁の意見で落ち着いた雰囲気のオフホワイトになった。


慣れない格好をさせられ爺様の無駄に長いリムジンで移動。


絢斗

「もっと小さい車で…」


武井

「舐められないようにするためです。」ジロリ


はい、何でもないです。


数十分後、乗り心地は最高。

だが無駄に目立ってしまう長~い車がこじゃれたデザインをした小さなビルの正面玄関前で停車する。


降りようとするとロックがかかっており


武井

「坊ちゃま!お待ちください。

これから先は絢斗様とお呼びしますので呆けないようお願いします。

それと【演技】をお忘れ無きようお願いします。」


演技ねぇ…


ささっと運転席から移動した武井さんがドアを開けてくれる。

ゆっくりと降りるとビルの正面玄関先には3人の女性が並んで待機していた。


浜崎

「お待ちしておりました。

ようこそ、ブライドへ。

わたくしが社長を務めてさせていただいております浜崎です。」


鈴木

「社長秘書の鈴木です。」


幸田

「マネージャー代表の幸田です。」


絢斗

「本日は宜しくお願いします。

名字は伏せさせていただくという事らしいので絢斗とお呼びください。」


出迎えの3人は

マスクにサングラスという胡散臭い見た目の俺に丁寧に挨拶してくれる。


さて、いよいよだな。

ワクワクしてきた!

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