第11話 ショタコンではないわ。



絢斗

「いらっしゃい、

早かったですね?」


この弁護士さん、

婆様サイドの俺の従姉妹なんだが

27才で独身らしい。


弁護士

「そうね、たまたま近くにいたか…ら?え?誰?」


絢斗

「この家に俺以外の誰が居るっていうんですか?

♪見えないモノを見ようとして~

ですか?こわっ!」


弁護士

「あ!すごい!似てる!え?本人?」


絢斗

「ややこしくなるのでもういいです。」


弁護士

「絢斗くんなの?」


絢斗

「だからぁ」


弁護士

「だって!

最近まであんなオールドイングリッシュシープドッグみたいた髪型してたから」


絢斗

「犬っすか…」


弁護士

「小学生の頃はすごく可愛くってショタ全開だったのに

おばあちゃんが亡くなった時に見た君は

その面影もなくデカい図体のおとなしいシープドッグだったからすごく、

ものすごぉぉぉくショックを受けたのよ。」


絢斗

「あなたがショタ好きなのはわかったので本題お願いします。」


弁護士

「ショタコンじゃないわ。

絢斗少年が好みだっただけよ。

女子高生だった私に性の目覚めを教えてくれたのは絢斗少年だった。

ただそれだけよ」ハァハァ…


絢斗

「その性癖をショタコンというんですよ…

ガチの人キタコレ…」


弁護士

「それがシープドッグになってたのよ?

私の気持ちがわかる!?」ハァハァ…


絢斗

「いや、あの、

なんかごめんなさい?」


弁護士

「いいのよ、シープドッグも髪を切れば超絶美人だったんだもの。

ふふ…ジュル」ハァハァ…


絢斗

「あ、よだれが…」


弁護士

「いいわぁ、うずくわぁ…」


絢斗

「ちょっと!おまわりさーん!!」


俺は遠慮なくスマホのエマージェンシーコールを鳴らす。


ものの2分でマンションのセキュリティーがドアを叩き出した。


「七条院様!どうかされましたか!?」


ドンドンドン!


「返事が無い場合はスペアキーで突入します!七条院様!!」


さらに1分後


武井

「坊ちゃまぁぁぁ!!武井が参りました!すぐにドアを開けてください!!」


ハウスキーパーのおっちゃんも来た。


絢斗

「弁護士さん、お、落ち着いて!

す、ステイ!!」


弁護士

「ハァハァ…もう、もう無理!」


絢斗

「うわぁぁぁぁぁ!!!」


俺の叫び声を聞いたのか

カチャンとドアロックが解除されて数人のむさ苦しい男共が突入してきて目撃したのは…


血走った目で俺に馬乗りになった弁護士さんが

鼻血を垂らしながら俺の制服のシャツのボタンを外そうとしている姿だった。

武井

「雪さん!何をしているんですか!!目を覚ましなさい!!」


おっちゃんがバーンっとビンタすると弁護士さんが横に吹っ飛んだ!?

えぇ…


武井

「坊ちゃま!大丈夫ですか!?」


絢斗

「おっちゃん…助かったよ」


弁護士

「わ、私…一体何を??」


武井

「坊ちゃまの色香にあてられたようですね、しっかりなさい!」


弁護士

「なっ!?なんて事なの…

絢斗、恐ろしい子」


絢斗

「昔の少女漫画みたいなセリフで誤魔化せないから!

恐ろしいのはあんただよ!

なんで急に盛っちゃうんですか!?

まったく…

うわ、シャツが血まみれだよ…」


俺は着替えようとシャツを脱いで…


またハァハァしてるし!!


駄目だコイツ!

頼りになるお姉さんだと思ってたのにただの変態さんだった。


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