第8話 東雲愛



はぁ…早く終わんないかなぁ。

学校ってほんっとにつまんない。


休み時間の度に陽キャ気取ったバカが寄ってくるし。

胸ばっか見てんのバレバレだっつーの。

正直ウザイ。

自慢話と他人を卑下ひげする話ばっか。

こいつら自分がカッコイイとでも思ってんのかな?

勘違いしてんじゃねぇっつーのよ。

性格最悪、見た目も普通、香水がキツすぎて逆に臭いし!

いっつもニヤニヤしてるのも嫌!


独占欲と性欲丸出しなのも

最悪でキモい!


一旦離れて気分転換しよ。

東雲

「あーしトイレいってくる」


「ついて行こっか?」


東雲

「きんもっ」


ぎゃははははって

バカ丸出しの笑い声。

マジでキモい。


トイレで少し時間を潰しそっと教室に戻ると

一番後ろの席で大人しくパンをかじりながら

スマホを見てる男の子が1人。


あんな子いたっけ?


そっと後ろに回り込んでスマホを覗いてみると

私の好きなゲームの配信見てる!


興味がわいたから話し掛けてみたんだけど…

すんごいめいわく顔されたんだけど!?

しかもなんだか

説教までされたんですけどぉ!?

訳わかんない!


誰の配信見てるのか気になって

スマホ見せてもらおうとしてたら

またアイツら…


もうマジでいい加減にして欲しい。

そのあとボッチ君にいちゃもんつけて暴力とか有り得ないんですけど!


ボッチ君が立ち上がって喧嘩になりそうだったし

イラついてたからビンタしてやったらキョトンって顔してたのは笑った。

最低とか言いつつ私が手を出しちゃったんだけど…

だって!

あんたらが偉そうな事言うな!って

イラッとしちゃったんだもん。

何ひとつ偉いとこなんて無いっつーの!!


てゆーかボッチ君デカくね!?


中庭に出て話をしようと思ったのに帰るとか言い出したボッチ君。


あーしもムシャクシャしてたし

ボッチ君と遊ぶことにしたんだけど

round10でボッチ君が目をキラキラさせてたのに吹いたw

初めてだったみたい。


ボッチ君の家で動画視聴するかもう解散するか、

ホッケーで勝負する事になったんだけど構うなとか寂しいこと言ってて余計にかまいたくなっちゃうよね?


ちょっとだけからかってみたら反応が面白くって…

なんか久々に何も気にしないで

遊んだぁ!って感じだった。


あーしが勝ったんだけどどーしても家は嫌みたいだから

プリで今日の楽しかった思い出残そうと思って誘ったんだけど…


名前、聞いたらなんか凄い名字だったんだけど?

もしかするとどっかの御曹司だったりして?


七条院絢斗しちじょういんあやと君だって。


東雲

「ヘアピンで前髪とめるから目瞑っててよ?

手元が狂ってぶっ刺しちゃうかもだし。」


絢斗

「こえぇよ!」


東雲

「男でしょ!ウダウダ言わない!

覚悟決める!はい!目を閉じて屈んで!」


メガネを外してこっち向いて目を閉じてるボッチ君の前髪をピン留めするために髪を上げたあーしは…


固まった。

時間が止まった。


「え…?」

は?何?誰この綺麗な男の子は?

ヤバっ!こんな綺麗な子テレビでも見たことないんですけど!?

ヤバいヤバいヤバいヤバい!!!

ドキドキが止まらない!!

顔が火照って真っ赤なのがわかる!


ちょっと変だけどゲーム好きで

反応がいちいち面白いだけの陰キャだと思ってたのに…


ヤバいよ!どーしよー!?

体が動かないよぉ!!


絢斗

「あの?」


声をかけられて我に返ったら

君が目を開けてこっちを見ようとしてる!


ヤバい!顔見られたら真っ赤なのバレちゃう!!

そう思ったら叫んで手で目隠ししてた…


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