第4話 禁断の地へ



結局駄々っ子に拉致されるが如く

やってきましたround10。


※round10とは

ボーリングをメインに

様々なアミューズメントが楽しめる

総合施設である。


つまりは

陰キャは来てはいけない空気感を出し過ぎている禁断の地である。


と思い込んでいた時期もありました…


ゲーセンやべぇ!

初めてきたけどなんなんだよここ?パラダイスじゃないか!


格闘からシューティングまで

幅広いジャンルに加え

レース系の種類の多さといったらもう!


ううぅぅぅ…イニDやってみてぇ…


部屋でコントローラー使ってグランツもいいけど

やっぱりハンドル握りしめたいぃぃぃ!!


メダルゲーもキャッチャーも色んなのがある!


これがアプリじゃないリアルか…


たまに生産性云々言うやついるけど

つまんねぇやつだよな。

目の前の事を楽しめないのは

時間を損してるのと同じだと思うのですよ。


うろうろキョロキョロしながらキョドりまくる俺を見て

ニヤニヤしながらこっちを見ているギャル子さんに気づいてしまう。


俺氏

「ま、まだ負けてなんてないんだからねっ!」


東雲

「へぇ?じゃあ勝負しよっかぁ?」


ニヤリ…と不適な笑みを浮かべ

自信あり気な雰囲気を醸し出すのは

やはり俺を陰キャボッチと侮っている証拠だ!

そんな気がする。


※被害妄想です。


やはり俺のやり方は間違いでは無かったのだ。

【空気】

そうだ、俺は透明人間になりたいのだよ!

イクラなんか食べなくたっていいんだっ!


こうやってギャル子さんに捕まってる時点でお察しなんだけどね。。。


東雲

「何?なんで黄昏てんの?

ほらさっさと動く!」


またもや引っ張られ到着したのは

エアホッケーというゲームの前だった。

なんだこれ?

台の形を見た感じだとエアホッケーっていうくらいだしアイスホッケーみたいなもんだろ?

だがこのままでは不利には違いない…


俺氏

「せ、説明を要求する!」


東雲

「え?知らないの?

ウケるんですけどw」


俺氏

「草生やすなや!

こ、これくらい知ってるし!

かかってこいやぁ!」


フッ、俺の持ち前の運動神経と動体視力があれば

どんな勝負でも負けるわけないからな!


東雲

「10点先取で勝負が決まるよ!」


俺氏

「こい!シボチーの力、

わからせてやる!」


そこから一進一退の攻防が続き

お互い7点。


東雲

「あと3点取った方が勝ちだよ!

あーしが勝ったら大人しくオススメ配信見てもらうからね!」


俺氏

「俺が勝ったら

二度と俺に構うなよ!」


東雲

「ちょっとタイムね、

あっつぅい…」


パタパタと手で顔を扇いでいたギャル子は制服のジャケットを脱ぎは始めた!!!

リボンをほどき上から3つまでシャツのボタンを外したギャル子。

くそっ!俺もジャケット脱ごう。

確かに暑いからな。


ジャケットを脱いでネクタイを外し

シャツのボタンを3つ外して風通しを良くする。


東雲

「わぉ…

あんた陰キャボッチとか名乗ってる癖にいいモンもってる」


俺氏

「えっち!すけっち!

ろぼだっち!!」


東雲

「なんそれ?

ってかオススメ配信はあんたの家で見ようかなぁ?チラッ」


俺氏

「なんで俺の家に来る事になってんだよ!」


東雲

「え?何??

あ~、今頃になって勝てないってわかっちゃった感じぃ?」


俺氏

「んなわけあるか!

負ける未来なんて見えないよね!

勝って再び自由を手にする!!」


東雲

「じゃあ、賭けは成立でいいよね?

勝つんでしょ?」


俺氏

「当たり前じゃ!

だぁれがお前のような陽キャ耳ギャル子さんに負けるかよ!」


東雲

「今のセリフ、録音したかんね?」


ギャル子さんのスマホから流れる俺の声は

煽りに煽られてブチ切れたバカそのものだった…


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