第27話 フィーネ付与魔法を学ぶ①

 「それで付与魔法について教えて欲しいって言うことだったが具体的にどこから教えればいい?初めからか?」

 「私まだ何も知らなくて…仲間の役に立つかなって。なので初めからかお願いします。」

 「仲間の役にか…。そこまでのレベルになるにはかなり時間がかかるぞ。なんせ低いレベルしか作れない間は売ってるやつ買うのが1番だからな。」

 「どれくらいのレベルまで上げたら役に立てるんでしょうか?」

 「そうだなー、大体Lv10位あればいいんじゃないか?今市場に出回ってるのが大体Lv15が最大だな。うちには23まで置いてあるがそれはまぁ俺だからかな。」

 「どういうことですか?」

 「大体10超えた辺りからかなり値段が上がってくるんだ。20超えたら市場じゃなくて個人取引だな。そもそもLv20超えれる奴なんかほとんどいないが。」

 「えっ?Lv20ってかなり大変なんですか?」

 「あぁ。付与魔法は他のスキルと違ってレベルアップに必要なスキルポイントが馬鹿みたいに高いんだ。Lv20の筋力強化なんて頑張れば簡単に手に入るだろ?それをわざわざ買うか?普通は買わねえよ。だから魔道具買うやつは趣味か、早く強くなりたいやつくらいだろうよ。」

 「そうなんですね…。」

 「だが駆け出しの頃は魔道具があると便利だぞ。何せ魔道具でなんとかなるスキルは強化しなくて良くなるからな。他のスキルにポイントを使えるようになる。しかも能力が底上げされるから強い相手とも戦える。つまりその分レベルが上がるのも早いって訳だ。」

 「なるほど!」

 「でも気をつけろよ!レベル10までは必要なスキルポイントもまだマシだが、そこからがえげつねえからな。そればっかりにスキルポイント振ってると死ぬぞ!」

 「わかりました。気をつけます。」

 「じゃあ次はスキルの使い方についてだな。付与できるスキルはそれぞれのスキルレベルで決まってるんだ。どのレベルでどのスキルかは忘れちまったからそれは自分で確認してくれ。まぁまず俺がやってみるから見てみろ。今回はこのおんぼろの剣に切れ味上昇Lv3を付ける。いくぞ。」


 バートンさんが机の上に剣を置き、そこへ目をつぶり手をかざした。しばらくすると剣が輝きだし、数秒したら消えた。見た目はさっきと全く変わっていない。


 「今ので完成ですか?」

 「あぁそうだ。やり方としては付与したい物に手をかざし、付与するスキルを思い浮かべる。初めのうちはなんか掛け声でもかけるといいだろう。慣れてくるとそんなものも無くてもできるようになる。ちょっと着いてこい。付与したやつがどれくらい変わるか見せてやる。」


 私はバートンさんに着いてお店の裏に回った。そこにはおんぼろの剣が沢山と大量の巻き藁が置いてあった。


 「その辺にある剣で切ってみろ。」

 「はい。」


 結論を言うと全く切れなかった。巻き藁に着いたのはただ鈍器で殴られた跡のようなものだけ…。本当に剣と言ってもいいのか疑うくらいだった。


 「じゃあ今からさっき使った剣に付与するからそれでまた切ってみてくれ。」


 そう言われさっき使った剣に付与してもらいもう一度切ってみた。今度は豆腐でも切るみたいにスルッと切れた。さっきとはまるで別物だった。


 「凄いだろ。」

 「はい!凄すぎます。あんな剣がここまで着れるようになるとは。」

 「これは習得に時間がかかったからな。確かLv15位でLv1が付けれるはずだ。俺は今Lv22でつけれるMAXがLv4だからな。」

 「あれ?さっきこのお店に置いてあるのはLv23が最大だって言ってませんでした?」

 「あっ言い忘れてた。付与魔法はな、運が良かったら今のレベルの1つ上のレベルが付くことがあるんだよ。滅多に無いがな。」

 「そんなラッキーもあるんですね。」

 「大体やり方はわかったか?今日暇ならうちの工房で練習して行くと良い。」

 「いいんですか?剣とかアクセサリーもどれも1回付与したら…。」

 「それなら気にするな。付与魔法はLv20超えたら付いてる付与を外すことが出来るようになるんだ。魔力も俺は腐るほどあるしな!」

 「そうなんですね。それではお言葉に甘えて。」


 そうして私は付与の練習を始めた。これは森に行く時間は無さそうだ。

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