第26話 フィーネとローラ
私は今日はしないといけないことが沢山ある。昨日ゲットした中で、付与魔法というものがあった。多分装備とかにスキルを付けれるものだと思うけどよく分からないので、ローラさんの所に行って聞いてみることにした。
「ローラさんいますか?」
「はーい。あっ今度はフィーネさんですね。どうしたんですか?」
「今度は?もしかして誰か来たんですか?」
「先程レインさんが来たところなんです。鍛冶屋を探してましたよ。」
「そうなんですね。あっ。私の要件忘れてました。私昨日付与魔法って言うのをゲットしてみたんですけど、まだどういうものかよく分かってなくて…。」
「そういう事ですか。それなら適任な人を知ってますよ。」
「えっ!そうなんですか?紹介とかは…。」
「えぇ。もちろんです。私のお父さんなんです。」
「ローラさんのお父さんって付与師だったんですね!」
「厳密に言うとそういう訳でもなくて、仕入れて来た魔道具を売ってるんです。そしてその中にコソッと自分でやったやつを混ぜてそれが売れるのを楽しみにしてるって感じです。あっ、でも素人ってわけじゃないですよ、付与魔法のレベルもかなり高いみたいですし。私のお父さんでもよろしいですか?」
「はい!もちろん。ありがとうございます。」
「それでは準備してくるので表で待っていてください。」
(やった!これで魔道具を買うところを見つかった!レイ褒めてくれるかな?)
しばらくするとローラさんが出てきた。ギルドの受付嬢の時の制服とは違って少しカッチリした服だ。
「ローラさんの私服かっこいい系なんですね。」
「いえ、そういう訳じゃないですよ。普段はもっとヒラヒラしたやつです。」
「エッチ。誰かに見せつけたいんですか?」
「もぉー。そんなんじゃ無いこともないですけど違います!」
「じゃあなんで今日はそんな格好を?」
「それはですね、私のお父さんヒラヒラした格好が嫌いで、こういう服を着ていかないと怒られちゃうんです。似合ってませんよね…。」
「そんなことないですよ!かっこいいです!」
「フィーネさん。」
(とってもキラキラした目で見つめられちゃった。それにしてもローラさん可愛すぎる!どうにかして仲良くなれないかな?)
「あのーローラさん。」
「どうしました?」
「私と歳ほとんど同じですよね?」
「はい。私もフィーネさん方と同い歳ですよ。」
「それじゃあ敬語はやめにしませんか?」
「いいんですか?」
「もちろん!」
「ありがとうござ…ありがとう!」
「じゃあ私のことはフィーネって呼んで。私もローラって呼ぶからさ。」
「うん。フィーネ。」
「じゃあ改めてよろしくね。」
「はい!あっお父さんのお店が見えてきましたよ。」
ここから50メートルくらい先に看板が見えてきた。あれがローラの実家みたいだ。看板には'バートン魔道具店'と書いてあった。
(バートンってお父さんの名前なのかな?それとも何か由来でもあるのかな。)
「ねぇローラ、お店の名前ってお父さんの名前なの?」
「そうなの…もうちょっと凝った名前付けれなかったのかなっていつも思ってるの。お父さんセンスないでしょ。」
「そっ、そんなことないよ。ちょっとまんまだたなーって思っただけで…。」
「ほら思ってるじゃん。」
談笑してるうちにお店の前に着いた。ローラさんがお店のドアをノックしてそのまま中に入った。
「帰ったよー。」
「おぉローラじゃないか。どうしたんだ?滅多に帰ってこないのに。お父さんが恋しくなったか?」
「誰がお父さんのこと恋しくなるもんですか。今日は友達を連れてきたの。お父さんに付与魔法について教えて欲しいんだって。」
「初めまして。フィーネと申します。ローラさんとはギルドで会って、今私が所属するパーティーの担当になってもらってます。」
「俺はバートンだ。娘の事大事にしてやってくれ。こいつは昔から嫌われ者で友達がいねぇんだよ。」
「ちょっと!それは言わないでよ。私がぼっちみたいじゃない!」
「事実だろうが。」
なんだかとっても仲が良さそうだ。ローラがヒラヒラ服を来たら怒るってバートンさんが娘思いだからなのかな?
「あの一つ聞いてもいいですか?」
「なんだ?なんでも言ってみろ。できる範囲で聞いてやる。」
「じゃあ、なんでローラがヒラヒラした格好してたら怒るんですか?」
「あぁ。その事か…………。すまんそれだけは勘弁してくれ。」
「それはあなたが昔ヒラヒラした格好してる女に何回も騙されたからでしょ!」
「あっお母さん!ただいま!」
「おかえりローラ。それでそちらの方は?」
「私の友達のフィーネだよ。」
その後さっきバートンさんにした自己紹介をローラのお母さんのソラさんにして本題に移った。
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