第24話 セレナと自警団

 「君たち大丈夫?」


 私はまだ気を失っていない子に声をかけた。その瞬間その子は意識を手放してしまった。


 「あちゃー。やりすぎたかな。こんな小さな子達にこのスプラッタはきついよね。」


 それからしばらくして自警団の方々が倉庫にやってきた。実は隣の建物に入る時に、建物の持ち主に自警団を読んでくるようにたのんでいたのだ。


 「子供の誘拐犯がいると聞きやってきました。」

 「えっ。これどういう状況?」

 「子供たちはみんな気絶してて倒れてる男が1人いて、他の2人は死んでる!?」

 「君がやったのかい?」


 団長っぽい人が話しかけてきた。ちなみに他の自警団の方々はと言えば驚いて頭の回っていない人もいれば、冷静に死体を見ている人もいる。


 「はい。私がやりました。」

 「そうか。本当にありがとう。かなり前から誘拐事件は起こってたんだけどなかなか捕まえられなくてね。子供たちはこれで全部かい?」

 「まだ他の場所は見に行ってませんが多分これで全部だと思います。」

 「そうか。君に怪我が無くて良かった。お前たち倉庫の中を隅から隅まで調べあげろ。変なものがあったらすぐに俺のところに持ってくるんだ。わかったな。」


 そうして自警団の方々は作業を始めた。


 「あのー。」

 「どうしたんだ?」

 「あの人たち殺しちゃって良かったんですか?」

 「そうだなー。できるだけ殺さない方が良いが、自分が怪我をするよりかはマシだろ。だから殺してもペナルティは無しになってる。しかも今回は1人生きてるから上出来だ。報酬に関してなんだがちょっと良いか?」

 「はい。」

 「君は冒険者なんだよね?これって依頼を見てやったの?」

 「いえ、そういう訳じゃなく、ふらっと見かけて気になっちゃって…。もしかして依頼あったんですか?」

 「一応な。じゃあ報酬は依頼と同じ額の銀貨6枚でどうだ?」

 「そんなに貰ってもいいんですか?私そんな大層なことしてないんですけど。」

 「十分大層なことしてくれたさ。これでこいつが誘拐した子供たちをどうしたか喋ったらこの街から誘拐のルートがひとつ消えるだろ?そうなったら治安も良くなってみんなが喜ぶんだ。本来銀貨6枚じゃ足りないくらいだよ。」

 「そうなんですね。それならありがたくちょうだいします。」

 「じゃあ報酬はギルドの方で受け取ってくれ。ちなみに君の名前は?」

 「セレナって言います。最近田舎の村から出てきて、今はその村の友達たちとパーティーを組んで活動してます。」

 「セレナか。いい名前じゃないか。俺はこの街の自警団の団長をしてるルードって言う。なんかあったら友達連れて俺のところに来い。どうにかなる範囲で手伝ってやるよ。」

 「本当に何から何までありがとうございます。私はそろそろ帰らないといけないのでここで失礼します。お仕事頑張って下さい。」

 「気をつけてな。」


 そうして私はルードさんと別れ自分達が泊まってる宿に帰った。


 (はぁ。結局森には行けなかったなー。次いつ行けるんだろ。そういえば私人を殺したんだよね…。みんなにこのこと話して追い出されたらどうしよう。)


 私はそんなことを考えながら宿までの道を歩いた。




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