第18話 初めての依頼②
「なんなんですか、これは!」
俺達の持ってきた素材の鑑定をしていた職員の人の叫び声が聞こえてきた。
「この中にゴブリンナイトの耳があったんです。」
「それ本当か?」
「えぇ。もちろんです。そんな嘘ついてなんになるんですか。」
「まじかよ…」
冒険者達が騒ぎ出した。驚いている人、嘘だと思って信じていない人、俺達の方を見て信じられないような目をしている人。様々な人がいる。俺達のところにローラさんとさっき知り合ったギランさんがやってきた。
「レイさん達どこでゴブリンナイトを?」
「さっきゴブリンの群れと戦ったって言いましたよね。その時に1匹だけ異様に強いやつがいたんです。多分それがゴブリンナイトだったんだと思います。」
「ゴブリンナイトって言ったらゴブリンロードの側近だよな。良くお前ら勝てたな。」
「俺達も大変だったんですからね。長期戦の後だから魔力も残り少ないし、体力も残ってないしで…」
「そりゃ大変だったな。それでも勝ったんだ!良かったじゃないか。」
「ありがとうギラン。」
「喜んでるところ悪いですが、今そんなこと言ってる場合じゃないですよ。ゴブリンナイトがいるってことはロードもいるんですから。」
「忘れてたぜ。ってことは明日から討伐隊か?」
「そうなりますね。」
「まじかぁ。」
「ローラさん討伐隊ってなんですか?」
「上位の魔物が出た時に、深刻な依頼を除いて全ての依頼を停止して討伐に向かうんです。それのことですね。報酬に関しては他の依頼と同じですが、金額が高くなっています。ちなみに参加できるのはブロンズからです。」
「そうなんですね。」
「それじゃあ私達は参加出来ないの?」
「セレナさん達にはナイトに出会ったところまでの案内をお願いすることになると思います。」
「分かりました。」
「買取りの準備も終わったみたいなので、カウンターに行ったらどうですか?」
「行ってきます。」
「買取金額ですが、薬草160株で大銅3貨枚と銅貨2枚になります。それとゴブリンの耳100個で小銀貨2枚、ゴブリンナイトの耳2つで銀貨1枚になります。」
「そんなに貰えるんですか?」
「ナイトは珍しく、強いですから。」
「ありがとうございます。」
「それから、今日の活躍で4人全員がブロンズにランクアップしました。おめでとうございます。」
「うぉー。」
ギルドにいた冒険者達がみんなが叫んだ。
「登録2日目でブロンズって初めてじゃないか?」
「俺もそんなやつ見たことねぇよ。」
みんな喜んでくれてるようだ。
「おいお前ら今から飲むぞ!ランクアップ祝いだ!」
「いいんですか?見ず知らずの僕達のために。」
「当たり前だ。お前らも大事なイオの冒険者仲間だ。」
「じゃあお言葉に甘えて。」
「レイ君、私達参加していいんだよね。」
「もちろんだ。楽しむ時には楽しまないと。」
「セレナは飲みすぎたらダメだよ。何しでかすかわかんないから。誕生日の時レインとレイが帰った後…」
「フィーネストーープ!それ以上言ったら怒るよ。」
「言わないよ。」
何かあったみたいだ。どうせセレナが酔ってフィーネに何かしたとかだろう。
そうして俺達は夜遅くまで酒を飲んだり、ご飯を食べたりして過し、その後宿に帰った。討伐隊は明後日からになったとローラさんが言っていたそうだ。俺は何も覚えていない。
そして次の日の朝、俺達は朝飯を食べ部屋に戻り、昨日の成果を確かめることにした。
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