第13話 梟の森

「あっ、登録終わったんですね。」


 買い取りカウンターの受付嬢のお姉さんが話かけてきた。


 「はい。終わりました。」

 「それでは買い取りしますね。さきほどお預かりしていたのは、ゴブリンの耳28個でよろしいですか?」

 「はい。それであってます。」

 「こちらが、今回の買い取り金額の小銅貨14枚になります。」

 「ありがとうございます。」


 俺達は初めての報酬をもらった。


 「レイ、いくらになったの?」

 「小銅貨14枚になった。」

 「小銅貨14枚だと串焼き2本くらいになるんじゃない?」

 「セレナの頭の中はお金と食べ物のことばっかりだな。」

 「そんなことないもん。」

 「このお金は取っとかない?」

 「これだと何か買えるわけじゃないからな。フィーネの言う通りにしよう。」


 この世界には10種類の硬貨があるそうだ。小銅貨、銅貨、大銅貨、小銀貨、銀貨、大銀貨、小金貨、金貨、大金貨、白金貨だ。ちなみにこの街に来てお店に売っているものを見ながら考えた結果、お金の価値は日本円に換算すると、次のような感じだ。


小銅貨 10円

銅貨  100円

大銅貨 1000円

小銀貨 1万円

銀貨  10万

大銀貨 100万円

小金貨 1000万円

金貨  1億円

大金貨 10億円

白金貨 100億円


 俺達が金貨から白金貨までを見るとこは無いだろうが、小金貨までは稼いでみたいものだ。


 俺達は街の中を散策しながら宿屋を探していた。すると右手側に'フクロウの森'という宿屋が見えてきた。まずは値段を聞いてみることにした。


 「こういう時はセレナの出番だな。」

 「聞いてくるね。」


 「すみませーん。」

 「はーい。いらっしゃいませ梟の森へ。」

 「しばらく泊まりたいんですけど、1泊朝ご飯付きでいくらですか?」

 「何人ですか?」

 「4人です。」

 「それなら1部屋大銅貨2枚で、食事代は4人で大銅貨1枚と銅貨2枚だよ。」

 「ありがとうございます。友達呼んできますね。」


 セレナが戻ってきた。


 「1部屋大銅貨2枚で食事代が大銅貨1枚と銅貨2枚だって。結構安くない?」

 「かなり安いな。しかも結構人もいるみたいだし、このにするか。部屋は2つでいいよな。」

 「お金稼げるようになるまでは1部屋でも私はいいよ?」

 「それだと有難いんだが、フィーネは本当にそれで良いのか?」

 「だって2人が変なことしてこないのはわかってるんだもん。」

 「レイ、僕達信用されてるみたいだね。」

 「そうだな。じゃあ一部屋にしよう。」


 俺達は宿に入り、部屋を1ヶ月間お願いした。支払いは先払いだった。夜逃げ対策だそうだ。

 部屋に入ると予想より広く、ベットが2つ、布団が2枚あった。話し合った結果女子2人がベットで寝て、俺達男子は布団で寝ることになった。選択に関してだがお願いしたら量に関わらず銅貨3枚でしてくれるそうだ。宿の裏には水汲み場もあるので、そこで自分たちで洗うのもOKだ。


 「この宿いいことずくめだね。」

 「さっきこの宿の女将さんに聞いたんだけど、新人の冒険者を対象にやってるらしいよ。お金も街から貰えるからこれだけ安くできるんだって。」

 「レインいつの間にそんな話を…」

 「そんなことよりステータスの確認しない?さっき登録の時に、レベルが上がってるって言ってたじゃん。」

 「そう言えばそうだったな。フィーネよく覚えてたな。」

 「僕もそれは気になってたんだ。」

 「じゃあみんなで一緒に見ようよ。」

 「よし。じゃあせーのでいくぞ。せーの。」

 「「「「ステータスオープン」」」」

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