日常 その後
ヒロイン(アメリア)視点
やらかした感がすごい。
息を整えているカミラさんを見れば、いけないことをしている感が……
私が攻めていても、カミラさんに触れられると余裕がなくなっちゃうから、ちょうど目に付いたタオルでカミラさんを拘束してみた。
余裕で解けるはずなのに、ちゃんと守って大人しくしてくれているカミラさんが可愛いし、色っぽいし……
結果、理性が呆気なく飛んだ。いや、こんな状況にした私が悪いんだけれども……
「リア、もう解いてもいい?」
いい? って手を動かしつつアピールするカミラさん、どこまで可愛いんですか……ギャップ……!!
「あ、はい! もちろんです!」
「満足した?」
「それはもう……!!」
「それなら良かった」
優しく微笑んで、軽々拘束を解いたカミラさん。ですよね。簡単に解けますよね。
「すみませんでした……」
「ん?」
「いや、その……縛っちゃって……」
「解こうと思えば解けたし、リアに支配されてる感も良かったし、Sっ気のあるリアも好き。うん、リアになら何されても好き」
「あ、はい……」
予想外の返答……! カミラさんも良かったのならいいんですけど、全肯定されるとそれはそれで……
「リアも試してみる?」
「ぅえっ!? いや、私はいいです、いいです! 大丈夫です。ほら、明日も仕事ですし!」
「そうだね。じゃあ、明日にしよっか」
……明日。明日? え?
カミラさんは私を抱きしめて、満足気に目をつぶったけれど、私は眠れそうにないです……
「アメリアさん、寝不足ですか?」
「あー、うん、ちょっとね」
「超絶美貌の番さんが離してくれなかったとかですか!?」
「昨日休みでしたもんね? え、そうなんですか!?」
仕事前に着替えをしていれば、欠伸が出てしまって近くにいた子達が盛り上がっているけれど、本当の事なんて絶対言えない。
その超絶美貌の番を拘束して、同じことをされると思ったら寝れなかったなんて……
今日は仕事中もミス連発でダメダメな1日だった。
家に帰って、夜ご飯の支度をしてカミラさんの帰りを待つ間もソワソワして落ち着かない。
カミラさんの事だから、無理強いをすることは無いだろうけれど……
「ただいま。リア?」
「……はっ、カミラさん、おかえりなさい!!」
ソファでぼーっとしていてカミラさんが帰ってきたことに気が付かなかった……
「どうしたの?」
「……っ!! なんでもないです」
「リア??」
カミラさんが心配そうに近づいてきて、膝をついて顔を覗き込んでくる。
ちょっと過剰反応しすぎたよね? 誤魔化せるかな?
「すぐご飯持ってきますね!」
「私がやるから、リアは休んでて?」
「え、大丈夫ですよ」
「リアも疲れてるのに、いつもありがとう」
頭を撫でて、キッチンに向かうカミラさんを見送った。イケメンすぎ……
心配してくれているところ申し訳ないのですが、多分カミラさんが思っているようなことでは無いです……
「うん、今日も美味しい」
「良かったです」
「仕事忙しかった?」
「いつも通りでしたけど、ミスばっかりでダメダメでした……」
「そんな日もあるよね。体調が悪いわけじゃないよね?」
「あ、はい。元気です」
「良かった」
ご飯を食べながら、労わるような視線を向けてくれるカミラさんに罪悪感……ごめんなさい!
とても本当のことなんて言えないから心の中で謝っておいた。
「リア、おやすみ」
どうしよう、とドキドキしながらベッドに入れば、おでこに口付けられて、すっかり寝る体勢のカミラさん。あれ、寝ちゃっていいのかな? もしかして、忘れてる? 私の考えすぎ??
「あ、はい。おやすみなさい……?」
「まだ眠くない?」
「いや、その……」
しないんですか? って聞くのもどうなの? なんか、期待してたみたいだよね?
「もし眠くないなら、してもいい?」
「ふぁ!?」
「ふふ、そんなに驚く? 可愛いね」
頬をするりと撫でられて、ゆっくり唇が重ねられた。
「リア、リアちゃん?」
「……」
「出ておいで?」
「やです」
「うーん、そっかぁ……でも苦しくない? 大丈夫?」
布団を頭から被って隠れる私を純粋に心配してくれるカミラさんには申し訳ないけれど、恥ずかしすぎてとても出られない。
約束通り? タオルを使うことにしたカミラさんを拒否できずに、終始楽しそうなカミラさんに攻められた。
普段だって勝てないのに、物理的に拘束されるというのは色々とダメージが凄かった……
今後、思いつきで何かをするのはやめよう、と誓った。
自分に返ってくるからね……学習しました……
「お、やっと出てきた」
恐る恐る顔を出せば、カミラさんが嬉しそうに笑っていて、こういうところはやっぱり大人だなって実感。
「カミラさん、ぎゅーしてください」
「可愛い。そんなのいくらでも」
抱き寄せてくれたから擦り寄れば、カミラさんの心臓の音が聞こえて安心する。心臓の辺りに唇を寄せて、強く吸い付いた。
「カミラさん、大好きです」
「可愛い。リアは本当に可愛いね。私も大好きだよ」
「へへ」
「ねぇリア、もう1回、頑張れる?」
あれ、そんなつもりじゃなかったけど、誘った感じになってる……?
「わぁ、ちょっと、明日仕事ですって」
「うん。少しだけ、触らせて?」
「んっ……どこ触って……ぁ……」
少し、の基準がやっぱり違うと思う。
求められるのは嫌じゃないから、本気で拒んでないことなんてお見通しなんだろうなぁ……
優しく頭を撫でられて、意識が遠のいていった。
「リア、おはよう」
「おはようございます」
「眠い?」
「眠いです……カミラさんは?」
眠過ぎて、起き上がりたくない……
「私は全然。むしろ調子がいいくらい」
「……えぇ」
本当にカミラさんって体力あるよね……寝なくても3日は余裕なんだっけ?
「あー、もう消えてる」
「え?」
心底残念そうな声がして、カミラさんの視線の先を見れば豊満な胸。羨まし……じゃなかった。
「せっかくリアが付けてくれたのに」
「あぁ、キスマークですね」
治癒力が高いからね、仕方ないよね。
「リア、今度は噛んで?」
「噛みません」
朝から何を言ってるんだか……確かにキスマークよりは長く痕が残ってたけど。
「えー……噛んで貰えるように誘惑するか……」
「やめて!?」
そんなの、即理性が飛ぶやつ……カミラさんに誘惑されて、抗える気なんて全くしない。
私よりも強い人が身を委ねてくるって、もうそれだけで……ね?
「さ、準備しよっか」
「はい」
「ふふ、先に行くね」
ベッドから降りた裸のカミラさんを直視出来なくて視線を逸らせば笑われた。なんか悔しい……
さて、私も準備しようかな。
今日もまた、カミラさんと過ごす1日が始まる。
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