壁にめり込んだ男:9 副 業
「こんな小細工に使う前に、防犯基準を守ったらどうだ!」
「デニさん。その指摘は少し違う」
「わん」
警官に挟まれ委縮する従業員に向かって、デニさんは厳しい言葉を投げていた。
主人が依頼した探しものは、路地のダストボックスからすぐに見つかった。
そして、描かれている葡萄の一粒分がくり貫かれて穴が空けられていた。
そこにはめ込まれていたであろう小型の
吐き気を催す収入源だ。
「どうする?消されたデータの復旧を待つか?」
「いや、それよりも早く終わらせるよ」
「わん」
詰めに入るため、わたし達は再び現場に戻った。
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