壁にめり込んだ男:2 概 要
デニさんは、軽く息を整えて説明を始めた。
「被害者はコークス・ソダー。
「逃げた奴の顔は?」
「見てない。後を追うにも、霧ですぐ見失ったとさ」
「通報の内容は?」
「男が殺されてると喚いてただけだ。で、駆けつけた俺が生存を確認した」
「聴取が続いてるのは怪しいから?」
「よく分かったな」
「第一発見者は第一容疑者だろ」
「それだけじゃないが、何か隠してる」
疑わしきを嗅ぎとるデニさんの嗅覚は、ある意味わたし以上と言える。
具体的な根拠はなさそうだが、それに導くのが我々の役目だ。
「とりあえず、現場から何か持ち出してないか聞いてみるか」
「どういう事だ?」
「あれさ」
「わん」
主人とわたしが示したのは、穿たれた壁の少し上に空いた、小さな穴だった。
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