やべー女が出来上がった
親交のある貴族から管理を任されている狩猟場に忍び込み、鹿を三頭。狐を四頭。そして、狼を二頭、持ち出した弓矢で仕留めてしまったのだ。
貴族の所有する土地は、そこに生えている草花一本まで領地者のもの。まさか、娘が勝手に殺してしまったとはバレるわけにはいかなかった。
アナスタシヤの父母たちは早急に矢傷のある動物たちを制し問わず回収し処分するよう部下たちに命じると同時、昨夜の興奮を安らかな寝顔に讃える彼女をたたき起こした。
問う。なぜ、そんなことをしたのかと。
狩りに憧れていたので。
そう答えてくれることを願った。どんなに思いを巡らせても、これ以上の返答は考えられなかった。
そんなせめてもの両親の願いをアナスタシヤは打ち砕く。
「生き物を殺してみたかったので」
父は閉口。母は泡を吹いて倒れた。
アナスタシヤ・ロマノフ、一四歳の夏であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます