第06話 S級冒険者パーティーは凄かった
「これで安心して眠れるよ!」
『たま様。調査で済んだので、延命できただけです。今のうちに魔物を配置しましょう』
「魔物?最弱でも配置できないって言ってたよね?」
こてんと首を傾ける。
『S級冒険者の侵入と撃退により、保有ダンジョンポイント(DP)は1,021,552ポイントです』
「おーすごい!一気に100万ポイント越え!」
たまは、なんかよくわからないが嬉しくて、青いワンピースをひらひら、体をくねくねツイストダンスを踊りだす。
「これでどらごんとか配置できるの?」
『ドラゴンですとニワトリモドキが、30万ポイントで配置できます』
「おー!それなら、さっきの
『無理です。10体配置してもS級冒険者には1瞬で消滅させられます』
「ダメじゃん!300万ポイントあっても勝てないじゃん!そもそも、ここに10体なんて配置したらぎゅうぎゅうだよ!」
ほっぺたを両手でつぶし、ぷりぷり怒る。
『ですが何もしなければ、わたくしは破壊され、一緒にたま様も消滅します』
「うっ・・・でもでもでも1瞬で消滅する魔物を配置しても意味ないよ!だから、おもてなし作戦継続だよ!」
翌日。
昨日訪れた真っ赤な皮鎧の猫美女を先頭に他8人の少女冒険者がやってきた。少女たちは皮鎧の質も体格も劣っている。
冒険者たちは、ずかずかとダンジョンに入る。
ウィィィン・・・
――お前たち、よく聞け
猫美女がコアと宝箱の前で語り始める。
――はい!!!
――来る前にも言ったが、ハンブルク王国の決定が出るまでの間、このダンジョンを守ることを我々のクラン、ドラゴンクラッシャーが請け負った!
ヴほっ
――はい!!!
「ヴほっ・・・ドドドラゴンクラッシャー・・・ちゅ、ちゅうに、中二病がこの世界にいる。ヴほっ・・・」
――お前たち8人でローテーションを組み、このダンジョンを護衛しろ!そして、このダンジョンコアの上にある宝箱から出たアイテムを、あたしかミュリーに届けろ
――はい!!!
――ダフネのあねご!質問いいでしょうか?
――なんだい?
――あたしら、罠感知や罠解除のスキルを持ってないんですが・・・宝箱を開けるんですか?
――まぁ、見てろ
猫美人のダフネは、ゆっくりとダンジョンコアの上に乗った宝箱を開く。
「じゃじゃーん!フウテンのカバシリーズ、第2弾!団子屋カバ桜よ!」
頭に白のスカーフ、ピンクのエプロンには桜の花びら柄、チャーミングなカバの人形。その人形をダフネは満面の笑みで優しくつかむ。
――罠はない。この布ゴーレムを必ず届けるんだぞ
――はい!!!
――あたいは町に戻る。部隊長。あとはよろしく。戻るついでに森の木を切り倒しておくから、休むための小屋を作るといい
――はっ!
ずかずかと森の手前まで進み、軽く斧を振るっただけで、ドドドドドドドドドと木々が倒れていく。
?!!!
「むりむりむりむりむりむりむりむりむりむりむり!戦わない方向で!」
――――― ――――― ―――――
○○「結局、こいつ何?詳細をぽちっ。21世紀末に3日で死亡する病気が流行。多摩たま博士は全自動で頭部から脳を切り取り仮想空間に接続するシステムを開発し多くの人命を救った。最後に自分も・・・・はぁ?そんなことして何が楽しいの。まぁ、もうどうでもいいけどね。もう興味あっりませ~ん」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます