第37話 原罪の伝導【ユ・マ】

 原罪。

 唐突と思うだろうけど、最初に生まれた罪は何だと思う?

 この世界DriNerDでは、それは『恥じらい』だと言われている。

 自分を恥じる意思は、個の問題だけに納まらず、世界そのもの自分が居る場所の否定にも繋がる負の情動だ。それは、世界の創り手デューへの冒涜とも捉えられるのだから、確かに大罪だ。

 そして、そのとがを抱いた神獣も実は存在する。

 それが、幻の第8の神獣ユ・マだ。

 その実体を見た者はいない。かつて存在していたという文献だけが、世界各地で散見されていた。

 各地の世界学者の手により、集約された情報によれば、神獣ユ・マは、最初に創られたヒトであるとされ、現在のドリナードDriNerDの住人のほとんど、特に獣亜族系統ママルス因粒メンティを継ぐ者は皆、ユ・マの子孫であると考えられている。

 ユ・マの容姿は文字での記載のみで、絵姿などでは遺されていないが、そのある種偏った設定から、創作者デュー個人の趣味理想が反映された存在だったのかしれないな。

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