第35話 無限の大口【ボカ・マンドラ】

 南大陸国アメリゴアに生息する神獣だ。

 巨大な山椒魚さんしょううおの姿をしており、果ての世界アースエンドを闊歩している。

 ヒトが居住する場所には立ち入ることはしないが、時折、果ての世界と隣接する州に接近してくることがあり、その姿を拝むことができるそうだ。

 神獣ユイ・オトラに似た温厚さと愛嬌ある外見を持つことから、東大陸国での人気が高く、『はう様』という愛称も付けられている。

 その反面、南大陸国アメリゴアでの扱いは、決して神と名の付く者に対するそれとは言い難いものだ。果ての世界アースエンドに廃棄物を撃ち捨てるグランドダンプがいい例だ。そもそもあの催しは、ボカ・マンドラが不法投棄された廃棄物を、その分別を問わずに捕食しているという推測から、都合のよい廃棄物処理手段として利用できないかという案が発端だったと言われている。

 神様相手にとんでもない事を思いつくもんだとは思うけど、が食べたものが一体どこに行くのか、誰も気にはなってないのかな?

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