第二十八話(第三者視点)
その日、俺が病室を開けると玲の母親が俺の胸ぐらを勢いよく掴んだ。
「離せって……なんだよ?」
まぁ、もう俺が玲の記憶を喪失した犯人ってことバレてるしタメ口でいいだろう。
ぁあー、めんどくせぇ〜。
そもそも、なんで今になって言っくるんだよ?
やっぱり、玲の母親なだけあるな……。
「玲を玲を……」と玲の母親は倒れ込んだ。
そして……。
玲の母親は涙を流しながら「お前を警察に言ってやる……」
おいおい、何言い出すと思ったらそんなことかよ。
「証拠がないのに良くそんなこと言えるなぁ〜」
「証拠なら……あなたの精液がシーツに付いてた……絶対にお前を捕まえる……」
頭の中が真っ白になった。
俺……捕まるのか……。
「嘘だろ? そんなの、嘘だ!!!!」
「絶対に……」と俺を睨む玲の母親。
○
翔悟は病院を走って出た。
(くそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそ)
ただ、その言葉だけが頭の中を駆け巡る。
(どこで、俺は何をしたっていうんだよ……あいつが悪いからやっただけじゃねぇかよ……)
『捕まる』
ただそれが怖い翔悟。
翔悟はその場で立ち止まり両膝をつけた。
「なぁ、俺は別に悪い事してないじゃねぇかよ……全部、全部。あいつらが悪いだけじゃないかよ……」と死んだ目でつぶやく翔悟。
(葵に復讐してもらって、俺はこのまま死のうかな……)
その後、翔悟は死んだ目でとぼとぼと歩いて家に帰っていた。
すると、そこに……。
「こんにちは、翔悟さん」と笑顔で言う夜空が……。
うぁあああああ!! と翔悟は後ずさる。
(やっぱり、私の思い通りだった♪、翔悟は完全に詰んでるのね……)
(全部、全部こいつが俺の人生を狂わしたんだ……あの時に告白を受け取っていれば……)
「翔悟さん? そんなに驚かなくても……」
(そうだ、なら、私が翔悟に希望を与えればいいんだ)
夜空は翔悟に近づいて。
「いいニュース♪ 翔悟くんが多分思ってる警察に通報の件だけど無くなったよ♪」
「え!?」
(何そのバカみたいな返事(笑) やっぱり、それで合ってるんだ。良かった、玲の母親にあーやって言っておいて……。それにしても、私ってこんな人に怯えてたんだ……)
そう思うと少し恥ずかしいと思う夜空。
そして、夜空は翔悟のほっぺを触りながら……。
「ねぇ、翔悟くん? まだ、私のこと好き?」
夜空がそう言うと徐々に目の色が戻っていく翔悟。
(そんなの……)
「
翔悟はその言葉を言った瞬間に察した。
(あ、俺……やっぱり、夜空さんのことが好きなんだ……)
(ぁあー、つまんないなぁ〜)
翔悟の口がピクリと動く。
? と夜空はその様子を不思議と感じた。
「いや、違うんだ……俺は?」
「なになに? 俺は?」
(言うんだ……俺……大嫌いって)
「夜空さんのことが、大大大好きだ、エッチだってしてぇよ。夜空さんとの子供もほしい。だから……」
(なに、俺言ってんだよ……)
『捕まる』
そう思うと翔悟の口からは普段恥ずかしくて言えない言葉がどんどんと出てきた。
(やっぱり、翔悟は面白いや)
「ならさ、私とエッチしよ……」
この時、すでに夜空には抵抗というものが消えていた。
それは、これを材料に復讐を早める。
そんな事を考えていたからだ。
(玲が目覚めるまでに……少しでも早く、優斗には復讐してもらわなきゃ♪)
「え?」
「だから、私とエッチしよ!! そんなに盛大に告白されちゃったし……」
「あ……」と顔を赤くする翔悟。
(は、恥ずかしい……)
(可愛いなぁ〜ほんと)
○
そして、翔悟と夜空は夜空の家でした。
(別に嫌と思う抵抗がなかった。むしろ、気持ちよかった。あ……やっぱり、私、壊れてるんだ……)
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