第十四話(玲視点)

 最近は、優斗と付き合えたし優斗としたし良い事だらけだ。

 しかし、ひとつ不満もあった……。

 それは、優斗とした時に物足りなさがあった事だ。

 翔悟の方が気持ちいい。

 それは確かな事だった。

 でも、優斗を裏切るなんて私にはできない……。



 今日は、優斗と再来週にキャンプに行くための道具を買いに近くのショッピングモールに来たのは良いものの……夜空さんもいる。


 せっかく、二人で行けると思ったのに……この夜空さん邪魔者め。

 買い物の帰りに私の家でしたかったのに……。


「はじめまして、かな? 一応、初めましてだね。よろしく。夜空さん」

「こ、こちらこそ……玲さん……」


 と、私と夜空さんは挨拶を交わした。

 

「じゃぁ、行くか……」と優斗は言った。

「うん……」と夜空さんは優斗に近づいた。


 なんだろ……このモヤモヤ感は……。

 

「玲……」と優斗は私を心配して声をかけた。

「う、うん。待って……」と私は駆け足で優斗の元へ向かった。


 あ、多分あれだ……。

 私は夜空さんのことが嫌いなんだ……。

 しばらくの間、優斗は夜空さんを理由に遊んでくれなかったし……。

 

 だから、私は夜空さんに見せびらかす様に優斗にくっついた。


 夜空さんは私と優斗が付き合っていることを知っている。

 でも、彼女はきっと優斗のことが好きなんだ……。

 それは、女の子だからこそ夜空さんの行動から読み取れる。


「くっつきすぎだ……」と耳が赤い優斗。


 照れてるんだなぁ〜。

 優斗は可愛いなぁ……。


「えへへ……」


 そして、私たちはキャンプ道具を買いにアウトドア系のものが売っている店にやって来た。


「翔悟はキャンプ道具持ってるから来ないってさ……」

「そうなんだ……」


 よかった……。

 昨日、少し気まずくなってしまった。

 よくよく考えてみると翔悟って性欲強いよなぁ……。

 でも、その強さがあるから気持ちいいんだよなぁ……。


 やっぱり、気持ちよさが物足りないと思う私。


 あ、なら……優斗をもっと興奮させればいいんだ……。

 そうすれば、翔悟みたいに優斗は私を気持ちよくしてくれる……。


「ほら、玲……」


 気づけば、優斗と夜空さんは先に行っていた。


「あ、待って……」

「体調でも悪いのか? 玲……」と心配する優斗。

「うんうん、別に……」


 なんで、夜空さんと二人でどんどんと行くかなぁ?

 

 私は駆け足で優斗の元へ向かった。


 私たちはキャンプエリアへ向かった。


「ねぇ、優斗……」

「ん?」


 次の瞬間、私は優斗にキスをした。


「ば、ばかやろう……こんなと、ところでキスとか……」と顔を赤くして焦る優斗。


 ふふふん♪ 可愛いなぁ……。

 どう? 興奮したかな?


「良いじゃん、別に。周りには人居ないしさ。夜空さんも私と優斗のこと付き合ってるの知ってるしさ……」

「そういう問題じゃないだろ……ごめんな、夜空さん……」

「大丈夫です」

「そうは言ってもよ……」


 私は顔を膨らませた。


 ぷ〜。

 なんで、夜空さんに構うの……私にだけ構ってよ……。


「じゃぁ、夜空さん。まずは、寝袋かな……」

「う、うん……」と二人は歩きはじめた。


 私を置いて……。


 なんで、なんで……優斗は私だけを見ればいいのに……。


 なんだろうか、この胸の痛みは。

 好きな人が取られる気持ちは……。

 どうしたら、私の気持ちが優斗にわかるんだろ……。


「そうやって、夜空さんといるんだね……」


 気づけばそう口に出していた。

 

 しかし、優斗と夜空さんは私の声に気づかずに夢中になっていた。


「もういいよ……優斗……」


 優斗はひどいよ……私より夜空さんなんだね……。


 私は一人帰った。


 そして、私は思う。


夜空さんあんな子なんて居なくなればいいのに』と。




 

 

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