第十五話(玲視点)

 家に着くと私はベッドにダイブした。


 そして、シーツを強く握った。


 すると、目からは大量の涙がシーツに垂れる。


「あれ……なんで私泣いてるんだろ……」


 そう思うと思うほど涙が溢れ出す。


「あれ……涙が止まらないや……」


 シーツに垂れた涙により自分が握っているところまで湿っていた。


「これも、優斗が悪いんだから……」


 なんで、優斗は私以外の女子と仲良くしようとするの……。


 そう思うと更に涙が溢れた。


 そっか……私もしてたんだ……。

 好きな人がいながら好きでもない相手としていた。

 私も似たことしてるじゃん……。


 そう思うと更に涙が溢れた。


 別に優斗に翔悟との関係がばれている訳でもない。

 でも……。


「ごめんね……ごめんなさい……優斗、ごめんなさい……」


 私がしたことはとてつもなく酷いことだ。

 

 優斗と夜空さんが仲良くしていたから、そのことに気づけた。


 そして、私は涙が枯れるほど泣いた。



「う、うん……」と私は目を覚ました。


 どうやら、泣き崩れて疲れて寝てしまったらしい。


「やっと起きたか……」と優斗の声がした。

「え?」と起き上がる私。


 そこには、紛れもなく優斗がいた。


「なんでいるの……」

「お前、勝手に帰るなよ」と優斗は立ち上がり怒鳴った。


 その言葉を聞いて私も立ち上がった。


「それはこっちのセリフだよ。なんで、なんで、私以外の人と仲良くするの!? これじゃ、私……優斗と恋人じゃ無いみたいじゃん……もっと私を特別に見てよ……」


 そう私は思いを思いっきりぶつけた。


「な、それはだな……お前こそ。突然いなくなって俺……心配したんだぞ!? こっちの気持ちもわかんないでよ」

「それも全部、優斗が悪いじゃん!!」


 こうやって、優斗と喧嘩したのは久しぶりだなぁ……。

 小学5年以来か……。



 あれはたしか、虫取りをしていた時だった。


 ミーンミーンとセミが鳴く。

 今日は今年1番の猛暑らしい。


 そんな中、私と優斗は近くの神社はやって来た。


「なんでよ? お前が俺を肩車しろよ?」

「いやよ。優斗が私を肩車してよ。私女の子よ!?」


 私と優斗は高いところに居るセミを捕まえるために、どちらかが肩車して採ろうとしていた。


「関係ないも〜ん。だから、俺を肩車しろよ?」

「関係あるもん!!」と顔を膨らませる私。

 

 そうこう揉めていると、セミはミミッと鳴き飛んでいった。


「いっちゃった……おい、玲!! お前のせいだ!!」

「違う。優斗のせい!!」

「んだと……」

「……なによ!!」と私と優斗はおでこをぶつけて睨み合う。


 そして、ふんっとそっぽを向いた。


「お前なんか知らない!!」

「私こそ!!」


 何よ、優斗が悪いくせに。

 大っ嫌い。


 ほんとはそんなことなんて思っていなかった。

 謝ったら負けだと思っていた。


 ほんとは素直に謝りたかった。

 それは、私も優斗も思っていた。


 結局、私たち二人は別れてから数分で優斗が私のところに来て謝ってくれた。


「そのさ……ごめんよ」

「うんうん、私こそ……」



 私たち昔と何も変わって無いじゃん……。

 昔みたいにどちらが悪いじゃない。

 どっちも悪いじゃん。


 気づけば、私と優斗は「「ハハハ」」と笑っていた。


 きっと、優斗も同じ事考えてたんだ。


「ごめんね……」


 気づけばそう口にしていた。


 それは、あの時の自分が言えなかった言葉だった。


「勝手に帰ってごめんなさい……」


 ほんとは、翔悟としたことも言えたらよかったのに。

 でも、怖くて言えなかった。

 言ったら、多分優斗は私を捨てて夜空さんと付き合うと思うと怖かった。


「いいや、俺が悪い……たしかに、彼女の前で少し夜空さんと喋りすぎてた……玲を相手していなかった……でも、それには理由があるんだ」

「それは……何?」

「夜空さんのことをさ翔悟が好きなんだ。もちろん、今度のキャンプで告白するって言っててよ。その手伝いをしたくてさ……そのために、色々と誘導してたんだ」

「そんなの、言い訳じゃん……」

「ああ、言い訳だ。でも、事実だ。だから、ごめん……」


 そう思うとホッとする私がいた。


 邪魔な夜空さんあいつが翔悟と付き合えばもう、優斗は私だけを見てくれる。


「ほんと?」

「ほんとだ」


 そして、欲深い私は言った。


「なら、私とエッチしてよ。そうすれば信じるからさ」


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『日替わり彼女〜学年一の美少女に告白されてエッチした。でも、学年一の美少女は親友の彼女らしい〜』是非こちらも。


 

 



 

 

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