第十二話

 今日は優斗の家で復讐の仕方について、作戦会議だ。

 両親は仕事、妹は部活の後に塾があるため帰ってくるのが遅いらしい。


 ふふ、ちょうどいい。

 このまま、復讐といきましょ!!

 そうすれば……そうすれば、優斗は私だけを見てくれるもの。

 玲さんなんて概念からなくなる。

 優斗が欲しいものは私の中に全てあるもの。

 他の女の子なんて要らない……。


「それでだけどさ、恥ずかしい話さ俺はもうどうやって復讐すればいいかわからないんだ……でも、あいつらを地獄に落としたい……」


 優斗の目は本気だった。


 優斗は偉いなぁ……あんな地獄を見てなぉ、そんな目ができるんだもん……。

 昔の私にはそんな目が出来なかったのに……。

 だから、復讐する。

 優斗のためにも。

 そして、あの日復讐できなかった自分のためにもーー。


「うん、だったら私に任せて……ちょっと、スマホ借りていいかな?」

「お、おう?」と戸惑いながら優斗はポッケからスマホを取り出す。

「そのまま、LINEで14HR開いてもらっていいかな?」

「おう………あれ? グループ通話……って、24人もいるぞ? 一体なんなんだ?」


 クラスの人数は36人。

 つまり、過半数以上が今の現場を聴いていることとなる。


 なんて、私は運がいいのかしら……。


 あれから4時間が過ぎようとしている。

 スマホの充電は確かあの時に95パーほどだったためか、まだ切れていないらしい。

 

 ぁあー、神様も私たちのお手伝いをしてくれるんだね……。


「そのまま、【通話】押してみて……」

「お、おう?」と【通話】を押した瞬間、スマホから流れてきたのは女性の喘ぎ声だった。


 ぁあー、やっぱりヤってるんだね……。

 私の通りに……。

 全部聴こえてるけどね……でも、エッチな玲さんにはこっちの方が気持ちいでしょ?

 ふふッ。


 その喘ぎ声の鳴り響くスマホに戸惑う優斗。


 どうせなら、ここで更に復讐心を描いて欲しいなぁ……。

 

 そして、次の瞬間。


「気持ちいよ……」と玲さんの声がした。


 その声を聞いた途端に、優斗は「は? ………」と床に膝をつけた。

 その声が聴こえた瞬間に、グループLINE内では『今の玲さん?』『まじかよ、あいつ優斗いるのに翔吾としてんの?』『ビッチだ……』などと荒れ始めた。


 そうそう、それでいいんだよ……。

 もっと、もっと2人とも……ボロを出して欲しいなぁ……。


「なぁ、これって……」と声を震わせながら言う優斗。


 無理もない、だって一度トラウマになった出来事がまた電話越しで起こっているから。

 でも、大丈夫だよ……今回は私がいるもの。


「そうだよ。私が仕込んでおいたの。今日はすると思ったから……」


 あそこまで壊れて、しかもそのまま見捨てられてしまったのだ。

 その気持ちを塞ぐためにヤるに決まっている。


「ははは……」と突然笑い出す優斗。


 そして、優斗の目からは大量の涙が……。


 でも、このままでは壊れてしまう……。

 更に復讐心を描いて欲しいが、壊れてしまったらどうもこうもない。


 私は優斗を後ろから抱きしめて舌を入れ、熱くキスをした。


「大丈夫だよ。今回は私がいるもの。そして、この電話を聞いている人がいるもの……み〜んな優斗の仲間だよ……。だからさ、最後の復讐といこ? 私と一緒に2人を地獄に落とそ?」


 その言葉を聞いた優斗は涙を拭いて。


「壊す……絶対にあいつらを壊してやる……あいつらを絶対に地獄に落としてやる……」

「うん♪ その調子!」


 あと少しで優斗は完全に私のもの……。


 喘ぎ声が鳴り続くスマホ。

 そして、荒れ続けるグループライン。


 だが、しかし。


「どうしてだ……なんで、俺はあんなやつの喘ぎ声で勃ってんだよ……」と涙を垂らす優斗。


 はぁ……『復讐にその気持ちはいらないわ』


 私は制服を脱いだ。


「なら、私としよ?」



 私と優斗は同じベッドにいる。


 そして、優斗は翔吾にLINEを送った。


『今から、お前ら、俺の家に来れる?』と。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【告知】

 次回、夜空視点編最終話。

 あと、アンケートをとりたいと思います。

 次の中から「次に読みたい!」と思うやつを教えてください。

○ifルート① : もし、玲と翔吾に優斗が気づかなかった時の世界線。

○ifルート② : そもそも、玲とは付き合っていなかった時の世界線。

○ifルート③ : 〜が読みたい!! というリクエスト。


最終話が終わってから3日後に投稿する予定です。

もし、別に読みたくないが多かった場合は夜空視点の最終話で完結予定です。

ご協力お願いします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る