俺とのセックスの回数を数えている幼馴染彼女。俺の記憶では20回なのに、「今日で21回だよ...」などと言ってるんだが、これ、もしかして俺そっくりな双子兄貴とのエッチも含まれているんじゃないのか?

雲川はるさめ

第1話

俺とのセックスの回数を数えている幼馴染彼女。俺の記憶では20回なのに、「今日で21回だよ...」などと言ってるんだが、これ、もしかして俺そっくりな双子兄貴とのエッチも含まれているんじゃないのか?


俺の名前は西野ユーマ。

今、高校三年生。

俺には双子の兄貴、ユーヤがいるんだが。

俺ら双子はやたらとそっくりで。

正直な話、誰も見分けがつかない。

母親でさえ、

「あんたはユーマ、ユーヤ、どっち?」

などとたまに宣ってくる。


俺的には、

兄貴は俺より、目つきが鋭くて、

俺はやや垂れ目がちだと思うんだが。


そんなのは周りの連中に言わせれば誤差の範囲内だと言うんだ。


確かに、まあ、

寝不足で兄貴の顔が少し浮腫んでたり、

すれば、俺たちは本当に俺的な見解から見ても、見分けがつかずウリ二つだった。


ある日のこと。


ユーヤ不在で俺の部屋、つっても

双子で一部屋なのだが、

2段ベットの下の方で幼馴染彼女の

アイリとイチャイチャを始めようとしたら、

アイリが例によって俺に告げた。


「あのね、ユーマ。

今日で21回目だよ」


「ん?21回目...?」


「そう。21回目...」


「いや、待て。俺の記憶では今日したら

20回目だと思うんだが...」


「そんなことないよ。私、ちゃんと数えていふもの...」


「いやだって、俺だって、おまえがする前にいつもカウントするから、それをちゃんと覚えていてだな...」


ここで、

嫌な予感が走った。


「おまえ、まさか、兄貴と寝たな!?」


兄貴は常日頃から、

俺の幼馴染彼女を狙ってた。


兄貴にとっても幼馴染である

アイリだけど。


髪型ポニーテールで目鼻立ち整っててアイドル並みに滅茶苦茶かわいいんだ。

それにスタイルもいいから。

巨乳だから!


だからこそ。


兄貴は、


「いつか、おまえの彼女寝取っちゃぉ!」


などと冗談めかして言ってたんだ。


俺とアイリが事を始めようとした

その時だった。


兄貴が部屋のドアを開けた。


バイトに行った筈なのに。

随分と早い帰宅だなと思った。


ちょうどいい。


今すぐに真相を確かめられると思った。


「おい、兄貴!!」


俺はベッドから降り立ち、

兄貴の胸ぐらを掴んだ。


「なんだよ、ユーマ?

なんで喧嘩ごしなんだよ?」


「おまえ、アイリと寝たな...!」


「おっ、鋭いな...なんで分かった?」


「回数だよ、俺とアイリは

行為の度にカウントしてたんだ」


俺が兄貴に殴りかかろうとした時だった。


アイリが声を上げた。


「やめてよ!ユーマ!」


咄嗟に、兄貴や襟ぐりを離した俺。


振り返るとアイリが、

きれいな指を折って確かめるように何やら数えていた。


「間違えてた...!ユーマ!

私、ユーマと夢の中でした回数も数にいれてた!!」


「な...」


俺は兄貴に向き直る。


兄貴はふっと鼻で笑ってた。



「俺も、アイリと夢の中でしたな」


「...っ!だからこその、

アイリと寝た、発言か...!」


「そーゆーこったw」


夢の中でも許せねぇ、と喧嘩しようとした時だ。


アイリがベッドから降りてきて俺の背後からハグしてきた。


「やめてよ!双子兄弟仲良くしてよ!」


続けて。


「私が数え間違えたのがいけないの!

夢でしちゃう位、ユーマのこと好きなのが

いけなかったの!」


そんなセリフを吐かれて。


俺はほわっと、肩の力が抜けて戦意を喪失したのでした。






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俺とのセックスの回数を数えている幼馴染彼女。俺の記憶では20回なのに、「今日で21回だよ...」などと言ってるんだが、これ、もしかして俺そっくりな双子兄貴とのエッチも含まれているんじゃないのか? 雲川はるさめ @yukibounokeitai

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