子供から大人へ
池山大圭
子供から大人へ
小学生の頃、僕は大人になりたかった。
高校生や大学生のお兄さん達は若々しくエネルギッシュなのにどこか余裕があるように見えた。父母や親戚のおじさんなどの大人は完璧超人にすら思えた。そのカッコよさに尊敬と憧れの念を抱いた。
中学生になって、少し大人になったように感じた。
急激に身長が伸びて、大人の身体に近づいた。思春期も経験して心にゆとりを持てるようになった。順調に理想の大人への階段を登っていると感じた。
高校生になって、今度は自分がひどく子供じみているように思った。
身体的な成長を終えて、体はすっかり大人になったのに心が追いついてこない。周りの大人はもっと冷静で余裕があって、自分がそこに到達できるのか不安だった。
大学生になって、人は意外に子供っぽいものなのだと認識するようになった。
少年の日に憧れたお兄さん達は想像よりも力がなくて、幼稚で、未熟な存在だった。少年の日の憧れは単なる理想と空想が生んだものなのだと理解した。
これからの僕はどのように感じるようになるのだろう。社会人の僕は、親の僕は、老人の僕は。
今とさほど変わらないのかもしれないし、大きく変わっているかもしれない。
未来の僕を想像して、今からワクワクが止まらない。
子供から大人へ 池山大圭 @hh_rapha
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