第6話
橘信司は心配していた。
猫たちの様子が少しおかしかった。
「ひょっとしたら、お腹に毛玉がたまっているのかも知れない」
信司はそう考えると、草原に猫草を探しに行くことにした。
「今日は店は休もう」
そう言って、看板をCloseのままにして、街を後にした。
草原は街の目の前に広がっていた。
「猫草は何処かな・・・・・・」
信司は猫草を探しながら歩いた。
すると、スライムが現れた。
スライムは猫草を食べている。
「その草は、猫様のもの! お前を倒す!!」
信司はそう言うと、猫草を採取するために装備していた鍬でスライムと戦った。
スライムが倒れる。
信司は猫草を根から掘り起こすと、もってきた袋に入れた。
「よし、これだけあれば5匹分になるはず!」
信司は大事そうに猫草をカバンにしまうと、店に戻った。
「ただいま」
「にゃーん」
猫たちが信司を出迎える。
信司は用意していたプランターに猫草を植えた。
猫たちは、みんな猫草に群がるとそれを食べ始めた。
しばらくすると、猫たちはきちんと毛玉を吐き出した。
信司は、ほっとした。
「苦しかったかい? 気づくのが遅くなってごめんな」
信司は猫たちに話しかけると、後悔の涙を流した。
そして信司は、猫たちが落ち着いたのを見届けると、買い物をしに街に出た。
「今日は猫様達とゆっくり過ごそう」
いつものパンケーキと紅茶の茶葉、新鮮な肉や魚や野菜を買った。
店にもどると、猫たちの食事を作った。
猫たちが食事を取る様子を、幸せそうに見守った。
「いつも、ありがとう、猫様」
そう言って、信司は猫を一匹ずつ抱きしめた。
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