第20話 作戦の失敗
僕は初陣で、敵兵の
そして、遥は、顔をみるみると
そんな僕らの心の動揺に関わりなく、無情にも今回の作戦が始まった。
城壁に立った僕らの目の前に広がる、アスタリア王国軍2万の軍勢が発する
更に、左右、それぞれの方向に、少し離れて陣取っている
「ヨースケ、怖い」
「遥、生きて僕たちの世界に帰るぞ」
僕と遥は覚悟を決め、炎弾をそれぞれ10発づつ生成し、敵陣に向けて撃ち込んだ。僕らの生成した炎弾は、初陣の時の炎弾よりも、若干、威力を落としたものではあったものの、初陣の時と同じように、先ずは、それぞれ10発の炎弾を、城壁から敵陣目掛けて撃ち込んだ。
「「ウワー、炎の塊が降ってきた~」」
兵士たちの悲鳴が響き渡る。
僕らは、初戦の再来となる、
僕も遥も炎弾に込める魔力を更に落とし、初戦の時と比べ、かなり威力を落とした炎弾となったのは、精神的な観点からも、致し方ないことだと思う。
遥は蒼ざめた顔で、その瞳からボロボロ涙を流しながらも、炎弾を生成していた。
僕らは、新たに生成した10発の炎弾を、敵陣目掛けて撃ち込んだ。
「「「盾を掲げろ」」」
敵側の将兵らしき武将が、次々と同じ指示を発する。
敵兵は僕らの炎弾に
驚いたことに、彼らの盾は、威力を大分落としたとはいえ、物の見事に僕らの炎弾を防ぎ切った。
僕らは、その事実に喜々として、更に威力を弱めながらも、見た目的には、威力が高い様に感じる大き目の炎弾を、次々と生成し、僕らに向かって盾を掲げる敵兵に狙いを定め、次々と炎弾を撃ち込んだ。
生成した炎弾は、僕と遥でそれぞれ300発程、二人併せると600発程もの数量に及んだ。
一部、僕らの炎弾により被害を受けた部隊もあったようたが、僕らの放った炎弾の
僕らが放った炎弾と共に、突撃した味方部隊は、炎弾による攻撃が有効な効果を発揮しなかったためか、敵陣を
僕らも、炎弾による連続攻撃の後、当初からの作戦の指令どおり、剣を振るって、敵陣へ参戦した。結果として、それなりの敵兵を倒すことができたものの、戦況を
僕と遥は、不殺を心掛けながら、ひたすら敵兵を倒していった。
結局、全体の戦況としては、アスタリア王国軍に大きな混乱を生み出すことはできず、逆に突撃したラインハルト帝国軍がアスタリア王国軍に押し込まれてしまうような状況に
僕らも、帝国軍の
軍議の席は荒れていた。五体満足の諸将は辺境伯を始め、騎士アーノルド他、出撃に参加しなかった諸将だけで、戦場に出た面々は、皆、身体の
戦場に出た僕と遥も例外ではない、軍議の席は
結局、今回の軍議は、責任の押し付け合いの場となり、自信満々に今回の作戦の後押しをした騎士アーノルドに責が及びそうな流れと一時的にはなったのだが、
「これで終わりではない。皇帝シュナウザー様の秘密兵器の本領を、一同、特とご覧あれ」
と騎士アーノルドから、僕らにとって、とても聞きたくない発言が発せられ、軍議の場が、一瞬、固まった。
紆余曲折あったものの、結局、僕と遥が何か秘策的な打開策を講じるという話で結論付けられ、具体的な打開策とその実行は僕らに丸投げされ、軍議は終了となった。
今回の軍議で決まったことは、結局、僕の当初案だった夜襲を、僕ら主導で改めて行うことを、軍議に参加している諸将 に了解を取り付けただけだった。
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