第10話 魔物との実戦2
初めての魔物の実戦から1週間が過ぎた。今日は2回目の実戦訓練。
前回と同じ魔物の住む森。今回は二人の連携と効率的な攻撃方法の確認を重点において訓練を行う予定だ。
森の中を進んで行くと、前回と同じくゴブリンが現れた。今回は5匹だ。
僕達は余り魔力を込めずに砂粒を大量に形成しサッカーボールほどの範囲に飛翔させる。そのサッカーボール程に範囲に密集させた砂粒を後ろ側にいるゴブリン3匹に向かって僕と遥がそれぞれ放ち、ゴブリンの動きを分断する。
僕らは、間をおかず、先頭のゴブリンに向かって突撃する。
先頭を走る真ん中のゴブリンを遥が切り捨て、僕は2番目のゴブリンを切り捨てる。
砂粒による牽制攻撃で動きを止めていた3番目と4番目のゴブリンが遥に向かって襲い掛かっていく。僕は水球を生成させると遥に向かっていったゴブリンのうちの1匹に水球を放つ。水球の攻撃を受けた4番目のゴブリンの動きが一瞬止まる。
僕は3番目と4番目のゴブリンを遥に任せると、続けて5番目のゴブリンに向かって突撃を仕掛ける。
先ずは砂粒をサッカーボール程の範囲に密集させた球体を素早く生成しゴブリンの頭部に撃ち込む。
魔力をあまり込めていない即興の攻撃のため威力はあまりないもののスピード重視の一撃。砂粒がゴブリンの目、鼻、口に入り込み、その動きが妨げられる。
僕は躊躇なく動きの鈍くなったゴブリンの腹の辺りを水平に切り裂く。動きの止まったゴブリンに向かって、更に、袈裟懸けに切り掛かるとそのままゴブリンは絶命した。
後ろを振り返り遥の方を確認すると、既に2匹のゴブリンが遥に切り殺され、こと切れていた。
砂粒や水球による
続いて森の中を進んで行くと、今度はオーク4匹の群れに遭遇する。
遥とアイコンタクトを交わしながら、正面にいる2匹のオークにそれぞれ矢を射かける。遥の矢はオークの目に命中し、目を撃たれたオークが
目を撃たれたオーク以外の3匹のオークたちが咆哮を上げながら僕達へ突進してくる。僕は土魔法を使いオークが突進してくる進行方向の土を10cm程盛り上げさせる。その盛り上がった土に
その一方、僕は倒れ込んでいるオーク2体のうち、仲間のオークに覆いかぶさる形で後から倒れ込んだオークの首筋に切り掛かった。
「ギャー、ワアー」
切られたオークの悲鳴が響き渡る。僕は切られたオークが転げまわったあと立ち上がろうとした隙をつき、確実に止めを刺す。
振り返れば、遥がもう一体の最初に倒れ込んだオークに止めを刺そうとしていた。遥がオークに止めを刺す隙に合わせて、先ほど目を射られ出遅れていたオークが遥に襲い掛かろうと走り込んで来る。
襲い掛かかってきたオークの接近に気付くのが遅れた遥は倒れたオークに剣を突き刺したまま動きが止まってしまった。
僕は遥を守るべく、その襲い掛かろうとするオークの顔を覆うように水球を作り上げる。遥に襲い掛かろうとしたオークは僕の水球に驚き、その動きを止めた。そのまま、水球をオークの顔を覆い続けたまま、維持し続けていると、水球により息苦しくなったのか、口の辺りを掻き
遥と僕で転げ回る残りのオークに止めを刺し戦いは終了した。
前回の狩りの時のオークの肉は現地で食したものを除き、全て同行してきた騎士団に譲った。
ゴブリンの肉は不味くて、誰も食べないので、今回も土の中に埋めた。
同行の騎士団にはオーク3匹を譲り、残りの1匹を僕らの取り分とした、解体方法も美味しい部位も城の料理人達から事前にレクチャーを受けていたため、何とか解体することができた。
あとは、ビックボアだけ狩れれば欲しい肉は揃う。そう思ってビックボアを探すも遭遇することはできず、代わりにオーク3匹と遭遇した。
二人で牽制と攻撃を上手く使い分けオーク3匹を危なげなく倒した。今回のオーク3匹の配分は騎士団2匹に僕達1匹とした。
城に帰ったあとは、聖女シルビアにオーク肉の幾ばくかをお裾分けしたあと、アンナとメリーに今日の夕食分として残りのお肉を渡した。他のメイドや料理人達にお裾分けすることも申し添えて…
今回も他のメイドさん達や料理人達は喜んでいたとアンナとメリーは教えてくれた。
僕と遥はご飯を食べながら今日の反省会として連携方法について話し合った。僕達は改善点と新しい連携方法についてあれこれ話し合いながら眠りについた。
遥と二人で何か真剣に話し合いながら二人で夜を過ごすのも、何時もと違って、新鮮な感じがして楽しかった。
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