第34話 鉄の爪
というわけで平和な昼下がりの公園で、ナンジャと小さな子供が走り回っていた。ナンジャはガキだがもっと小さな子供と走り回っているとお姉ちゃんに見えるから不思議だ。
許可を出したら子連れのママがキャーキャー言いながら写真を
お姉ちゃんヅラしたナンジャの写真はいつもの表情と確かに違ってた。これもライングループに
「ナンジャちゃん
何度も
「だけどお兄さん、もうちょっと服装を……」
「可愛い
とスマホの中から、
キャーと叫ぶママ。おめかししたナンジャの画像は相変わらず破壊力
そうこうしているうちに、遊び
「よくぞわらわについてきたのじゃ、
になちゃんというのか。可愛い名前だ。
「またな、おねえちゃんはここまでじゃ、帰らねばならぬ。あとはママに甘えるがよい」
何か言いたげなママに最後、ママとナンジャとになちゃんのスリーショット写真を
「あやつには
そんな使い方していいのか。プライバシーはどうなる。つーかその印とやら、俺にも刻んでたなそういえば。
ナンジャが遊ぶ姿を初めてみた。テレビゲームやってるのは見たことあるが、あれは一人遊びだ。そうではなく、子供の遊び。あんなふうに遊んでるのをみると、本当にただの子供だ。その子供があんな恐ろしい化け物と……。
「おい、ナンジャ」
「なんじゃ」
振り返るナンジャに真剣に尋ねた。
「お前の目的はなんだ」
「目的?」
キョトンとした顔で聞き返してくる。
「目的なぞ、
「違う」
俺は
「もっと大きな話だ。
ナンジャは
「なるほどなのじゃ。そろそろおぬしには話さねばならぬかもしれぬな」
猫の時は子供、になちゃんの時はお姉ちゃん。そして今は……。
こまっしゃくれたガキだ。
「全てを知ったらおぬしは
俺はナンジャの顔面にアイアンクローをかました。
「カッコつけてるとこ悪いんだが、お前のごたくに付き合う気分じゃないんでね。話は
「むぎぎ、痛いのじゃ、やめるのじゃ、もう許さんのじゃ」
暴れるナンジャ。今日の俺は気が急いてる。ナンジャの
「おのれ、カンジャ……。もう許さん。
「ナンジャ、お前は何者だ。なぜこの街に来た。俺を
俺の指先がナンジャの頭に食い込み続ける。軽いおしおきのつもりだったのに、ナンジャの頭が
まあこれじゃあナンジャも真面目に答えようとはならんよな。しょうがないから手を離す。
「おぬし……ようもやってくれたんじゃ……」
ハアハア言いながら俺を
「もう許さん! わらわを
ナンジャが右の手のひらをこちらに向けて、顔の横から右目を
「とわあ!」
ナンジャが
「あ、あれ……?」
ナンジャが
「な、なぜ
「お前の
俺はナンジャの肩に腕を回した。
「俺にやらかしたあれやこれやもな……」
ナンジャがガタガタ
「そろそろ帰るとするか。おっとその前に
肩に腕を回したままナンジャの耳元で
「いっぱい買い物しないとなあ」
バンパイヤハンター ナンジャ 大葉カヤロウ @tanikami
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