第9話 幼女殺しの俺コーデ
「どうなんじゃ~」
試着室のカーテンが開く。オフショルキャミに、ピンクでサテンのスカジャンを
肌の出たギャルっぽいコーデで
「こっちはどうじゃ?」
チュール
おすまし顔で
「だめおしなのじゃー」
白い
モノトーンでシックにまとめているが、
「こ……これはちょっと今までのとは違うのじゃ……」
ラクダ色のハーフパンツに、カラシ色のダボT。そしてドブネズミ色のバケツ
よし、もっさり。実にもさもさ、イモくさい。女の子を殺し切ることに完全に成功している。
よし、これだ。これに決定DA。
「な、なあ、おぬし、ほんとにこれにするのかなのじゃ~」
「何だお前、クロックスに文句があるのか。軽量合成
「ち、ちがうんじゃー、クロックスに文句言っとるわけじゃなくてそのう……」
「文句がないならこれで決まりだ。お姉さん、
店員のお姉さんがにっこり笑うと、ナンジャの前に立つ。
「すみません、お客さま。ただいまこちらの商品全て
「なに言ってんすか、いま着てるじゃないですか」
「こちらの商品ですが……」
店員のお姉さんがかがみ込み、ナンジャの頭を
「こちらの商品、ディスプレイ品となっており、少々
ナンジャのバケツ帽にいつのまにか赤い
「ひどいんじゃ……服を買ってくれるというから、かわいいのってすごーく楽しみにして来たのに……」
「あのね、お兄さん……妹さんもこうおっしゃってますしね……」
ゾッとする笑顔で店員さんが
俺のコーデを全力で
で、でも、こっちにもいろいろわけがあるんだよ。
「お金を出すのはにいちゃんなのじゃ……我慢するしかないんじゃ……」
店員がすごい笑顔でこちらを見る。真っ赤なバトルオーラを身に
「……でも最後に、この服、もう一度、着てみていいのかなのじゃ?」
服を胸にぎゅっと抱いて、
「
最初のピンクのスカジャンコーデだ。百点満点だっつーの。そんなのわかってるっつーの。
「だめかの……」
泣きそうな笑顔で猫の手ポーズをとるナンジャ。わあ、かわいいなあ、せつねえなあ。だが俺は口を結び、腕を組んだまま何も言わない。隣で
「うー…………」
ナンジャが
「おい、待て!」
俺が追おうとすると、ガッシと手首を掴まれた。すごい力だ。ゴゴゴゴと店員がバトル漫画の
「お客様、妹さまが店を出てしまってはお買い上げいただくしかございません」
し、しまった。そうきたか。
「い、今すぐ連れ戻しますんで、ちょっとだけ……」
「……………………」
店員の頭上に星が
や、やばい。
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