帰り道
今日の授業が終わり、西園寺さんに朝のお礼と一緒に帰らないか誘おうと西園寺さんがいる2年A組まで行ってみたが、クラスの中には殆どの人が部活に行ったり帰っていた。
うちのクラスは帰りのHRが少し伸びたため遅くなってしまった。
『流石にもう帰ったかー』
A組の子に聞こうと思ったが色々と変な噂になったら大変だし、辞めておいた。
ただでさえ、目立っているのにさらに目立つのは避けたい所だ。
まあ、もし本人がクラスにいても色々考えがあったから大丈夫だったけども。
仕方なく今日は諦めて帰る事にした。
『しかし、今日は色んな人にみられるな』
今日一日廊下を歩けばチラチラと見られたりヒソヒソと話されたりしていた。
クラスの女子とかには「かっこいいね」とか言われたりしたけど、今までにカッコいいなどあまり言われたりすることが無かったので疑問でしかなかった。
大学にいた頃は周りの人達はみんな年上で、女子というよりみんな女性って感じだった。
俺の事はみんなして「かわいい、かわいい」って騒いで弟のように接してくれていたので本当に俺ってかわいいのでは?と疑問に思ったことがあったぐらいだ。
まあ、それはないか。
今日1日の事を思い出したりしながら家に帰ってる途中にある公園で1人ベンチに座っているうちと同じ制服の女子がいた。
そのまま通り過ぎようとしたけど、よくよく見てみみたら西園寺さんだった。
『あのー、朝はありがとうございました。困っていたので助かりました。何かお礼できたらいいんでが…』
『私は質問された事を返しただけ。お礼なんていらないわ。』
西園寺さんだとわかって、思わず声をかけてしまった。
『あのー、もし良かったら隣いいですか?嫌ならすぐに帰りますから。』
色々聞くチャンスだと思い、聞いてみることにしたが、そう聞くと西園寺さんは少し嫌そうな顔をした。
『ご自由に。』
承諾を貰ったので座ったが彼女はベンチの端俺もベンチの端に座った。
色々聞こうと思ったが、聞けるような雰囲気ではなかったので聞かなかった。
その間、特に会話も無く、どれぐらいたっただろうか、20分近く会話のないままボーっとしていた。
そんな時公園で遊んでいた子供達が喧嘩を始めた。
1対3で男の子達が言い合いになったが、違う所で遊んでいた女の子がそれに気づいたのか1人の方の男の子を庇って言い合いになったが、3人の男の子達は逃げるようにその場をさっていった。
女の子は1人の男の子の方を心配するように、男の子を慰めていた。
そんな光景を見て、俺自身昔の自分みたいで少し懐かしくなって、自然と顔の広角が上がった。
そんな時、隣にいた西園寺さんがフッと笑ったのが聞こえてきた。
なぜ、笑ったのか疑問に思い、西園寺さんに聞こうと思った時。
『懐かしいなぁ…』
今までと違い少し高圧的な声であった物ではなく、どこか寂しそうな声で西園寺さんはいった。
それを聞いた俺は体がビクッとなった、西園寺さんはみーちゃんなのではないかとほとんど確信持てるぐらいの事をいったのだ。
だが、絶対では無い。
その{懐かしい}が何を指しているのか分からないが、小悪魔さんに名前を聞いた時から、西園寺さんはみーちゃんではと少し疑ったので、尚更そう思ってしまう。
今までは聞けるような雰囲気では無かったが、今なら色々聞ける気がしたので色々聞くことにしよう。
帰国子女の俺、好きな子に会うために帰国しました。 トマトスコアー @TTTYYY0519
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