初登校

 今日から俺も高校生、始業式に遅刻しないように頑張ろうそう思ってたのだが、手続きに色々あって間に合わなかった。


 二週間ほど遅れて、編入することになった。編入試験とか試験時間が30分以上余るぐらい余裕だった。


 都内でも屈指の有名高校で偏差値も高いらしいが、正直偏差値が高いと言われてもあまりピンとこなかった。


 アメリカとかには、偏差値ではかる事はあまりないからである。


 あるにはあるとは思うのだが…まあでも、しっかり編入出来ることになっているので、何も問題ないだろう。


 わくわくがとまらず、制服に腕を通して、学校に向かった。


 学校が近づくにつれて、目線をすごい感じヒソヒソと話しているのが見受けられて、少し焦る。


 え、なんだろう?なんかへんかな?と考えながら歩いていたが、気づいたら学校についていた。校舎は広く、とても綺麗だ。


 この院瀬見いせみ高校は校訓が{自由}なのだ。自身で自覚し責任にある行動を縛ることで学ばせるのではなく、あえてルールにとらわれずに自ら気づく事を大切にしているのだろう。


 だから髪を染めていたり、服装が多少崩れていても注意されることはないだろう。


 やり過ぎはだめだが、その辺みんな弁えている。


 とりあえず、職員室に向かう事にしたのだが、どこにあるかわからないので近くにいる子に聞くことにしよう。


『職員室どこにあるかわかりますか?』


『真っ直ぐ行って、突き当たりを右に曲がって階段を三階に上がったところにあるわ』


『そ、そうですか。ありがとう』


 声をかけて顔見たらものすっごい美少女がそこにいた。


 長い黒髪に目はクリッと鼻はシャープに唇は艶があり容姿端麗という言葉はこの子のためにあるのではないかというぐらい綺麗な子だ。


 ただ、あまり人に興味をしめしてなさそうな子だ。一瞬たじろいでしまったが、俺はお礼を言って目的の場所に向かった。


 職員室は学年ごとにあり、俺は2年生なので2年生の職員室の前にいる。


『失礼します。今日から編入する春風音也です』


『おぉー君が編入生か、こっちこっち。』


 扉を開けて手招きされたので、声の主の方に向かった。


『春風音也です。よろしくお願いします。』


『私は君の担任になる滝沢絢香たきざわあやかだ。よろしくたのむ。一様、ダンス部の顧問をしている。まあ、気楽に滝沢先生なり呼んでくれ』


『OKです!』


『春風の経歴をみせてもらったが…高校に通う必要あるか?』


 ありますよ。ありますとも、みーちゃんと青春するためですとも、当たり前じゃないですか。


 まあそんなことを言えるわけもないので、伏せたおくことにした。


『ありますとも、日本の青春というものに興味がありますので。あと、高校卒業資格持ってないので。』


『そ、そうなのか、、、まぁ、わかった。とりあえず春風は2年C組になるから覚えておくように、日本にあまり慣れてないと思うから色々と助けてもらうようにおそらく春風ならなんともないと思うが、困った事があったら頼るように。』


『わかりました。頼らせて貰いますね!』


『うぅ、、眩しいな。まあそろそろHRの時間だ。その時に自己紹介を頼む。それではついてきてくれ。』


 何が眩しいのかはわからないが、とりあえず先生とのファーストコンタクトはかなりいいだろう。


 困った時は遠慮なく頼らせてもらおう。


 あーあー楽しみだ。みんなと仲良くなれるように頑張ろう。友達100人できるかな?


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