第134話
翌日、王城に呼び出された。どうやら分かったらしい。俺とバルギエル、2人で向かった。
「おはよう御座います」
ルーラが王城で待っていた。というか…普通なら誰かが案内してルーラの部屋に行くというのが普通じゃないのか?とふと思ったがそんな事はどうでもよかった。
「おはよう。ルーラ。何か分かったのか?」
「えぇ。昨日ギライルさんとその左手のことで色々調べてました」
あっだから、ギライルが帰ってきた時今にも倒れそうなぐらい疲れてたのか。
「取り敢えず、ついてきてください」
「分かった」
「妾にも分からなかったのに…悔しいのじゃ」
バルギエルがボソッと呟いた。どうやら自分よりも若い国がどうして分かるのだと、少し嫉妬しているらしい。
「まぁ、元気出せ。強いんだから」
「そうゆう事にしておくのじゃ」
まだ不服そうだが、納得したらしい。
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気づけば、書庫にいた。
ずらりと沢山の本が並んでいる。
「えぇと…あっこれですね」
ルーラは一つの本を手に取った。
「これは我が国の本の中で、最も古い本の中の一つです。気をつけてください」
紙などの劣化によって危ないのだろう。
「バルギエル様、これを手に触らずに動かす事は出来ますか?」
そう言うと、バルギエルは自信満々に言った。
「任せるのじゃ。こんな事すぐ出来る」
ペラリ…
紙が勝手にめくられた。
「では、バルギエル様…めくっていってください」
「分かったのじゃ」
バルは作業に取り掛かった。
「昨日はどうやったんだ?」
「ギライル様がやってくれました」
「なるほど…」
「バルギエル様、そこで止めてください」
「ここでいいかの?」
「丁度そのページなので」
「分かったのじゃ」
ルーラがこっちを見た。
「では、その左肩から先のそれについて話します」
「よろしくお願いします」
「以前、この国が出来る前、別の国がありました。そこでは魔法を強化する実験など…とにかくどうにかして強くなろうとしたのです。
その中である物が計画されました」
「それは?」
「スライムに物を吸収するとそれとほぼ同等の働きをします。まぁ今ではそんな事は出来ませんけど…その性質を人間にやったら強くなるのではないか?と言われるようになりました。それが兵士増強計画です」
「まさか、スライムを人形にして兵士を増やす…」
「はい。しかもスライムは分裂する事が可能で一滴でもあったら復活します。そして分裂したスライムは元のスライムと同等の能力を持ちます」
それじゃあ、ほぼ無限に…
「しかし、計画は失敗しました。いや…したはずでした。どうやら1匹だけ成功したそうです。ですが、それを報告する前に国は戦火によってなくなってしまいました。そのスライムは部屋に隔離され何年、何十年、何千年とその部屋にいました。おそらく黒いのは…スライムの吸収能力の限界を超えたからそうなってしまったと思われます。つまり自我が無くなったのです」
吸収しすぎると自分が誰なのか分からなくなるのか…
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長くなりそうなのでここまでにします。
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天才スナイパーの異世界射撃術〜ナギの暗殺日記〜
https://kakuyomu.jp/works/16816452221242949033
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