第133話

「にしても…あれはなんなのじゃ?」


バルギエルはあの黒くなった左手が頭から離れなかった。今は自分の部屋でゴロゴロしている。


「妾はそこまで頭は良くないからな…考えても頭痛しかしない…」


だが、あの色などから見て昔にそれに似た物を見たような覚えがある。しかしどんな形だったのかは分からなかった。


「確か、どんな物でも形を変えれると言っていたな…そしてあの色…」


バルギエルでも分からないが少しずつカチリと歯車が噛み合っていく。


「まさか、スライムの吸収する限界を超えた結果…あんな感じになってしまったのかの?」


しかし、真実は誰にも分からない。名前も何も分からない。


「亜空間に行って、頭冷やしてくるかの…」


ブゥンと音がして時空が歪み、バルはそこに入っていった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「少し休みますか…」


ギライルは城でルーラの手伝いをしていた。

透の件の事を手伝ってくれと言われたので行く事にした。


「そうですね。この書庫大きすぎます」


今、いるのは城の中にある書庫だった。昔の書類や古くなった本などがずらりと並んでいる。そこから透の件に関係するのを探し出すとなれば途方も無かった。


「にしても、この本とかいいんですか?これかなり重要な事書いてますよ」


この国ができた歴史や、絶対にやってはいけない魔法など、ここには色々あった。


「実際、ここは私しか入れません。なので私が許可すれば見ていいですよ。魔法を発動したりするのはダメですが…一応鎖が付いてるので持っていく事が出来ませんけど」


「そんな事はしませんよ。じゃあ再開しますか」


「そうですね。あと少しでだいたいの本は片付いたので頑張りましょう!」


「そうですね。手伝わせていただきます」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

サクッ


「疲れた…」


なかなか刃物が通りづらかった。ふくよかと言えば丸くなるが、簡単に言うと、太っていた。そしてナギはまだ小さいので一苦労だった。


「ナイフ…それ以外にもできる暗殺の仕方ってあるのかな?」


ナギはスキルについて思い返していた。


「あっ毒…作れたはず…」


ナギは「毒作って…」と念じたすると手には紫色の玉があった。


「出来た…」


しかし念じすぎたのか、カッチカチに硬い。


「初めてできた毒。記念に持っておこう」


ナギはその場をあとにして、城に帰るのであった。そしてこの毒はナギの暗殺道具の一つとなっていった。


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天才スナイパーの異世界射撃術〜ナギの暗殺日記〜


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