第132話
ジジジジジ…
相変わらず左手は黒い。
しかし別に気にしなくなった。逆にありがたい事もある。例えば…
「えっと…コップはあそこだな」
水を飲みたくなったので、左手を伸ばしてコップを掴み、蛇口から水を出した。
つまり、動かなくても良くなってしまったのだ。
「これ芸術的な事もできるんだよな」
俺は左手をうねうねと変えた。すると螺旋状の形になったり角ばった形にする事もできた。
「異世界すげぇ〜」
改めてそう思った。魔法なども凄いが、こういった人外みたいな事もできるんだよな。改めて凄いと思った。俺達はルーラの鑑定結果が出るまで家に待機らしい。
やる事も特に無いので俺は小一時間、ボーっとしながら左手で色んな形を作っていた。
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「暇だな…」
サナは暇だった。ダンジョン攻略が終わって休む気持ちは分かるものの、家にいてもやる事が無かった。せいぜい寝る事ぐらい。
「銃の手入れはしたし…まだ風呂には早いし…」
サナはやる事を探していた。暇だったからだ。
「はぁ〜」
ベットにボフッと音を立てて倒れ込んだ。
サナは透のあの姿を思い出した。
「でも、別に変化はそこまで無いから安心はしましたけど…」
取り敢えず、人格を変えてしまうのもあるので今回はそう言った事もなかったので安心していた。
「寝ますか〜」
このままだと、趣味が寝る事だと思ってしまうぐらい寝ているがサナは気にしなかった。
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バルギエル、ギライル、ナギ、と次の話は視点を変えていきます。
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天才スナイパーの異世界射撃術〜ナギの暗殺日記〜
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