第129話

「透よ…妾にもそれは分からないのじゃ」


バルギエルはいくら昔の記憶を掘り起こしてもそれとは一致しなかった。


「しかし…いくつか分かる事はある」


「それはなに?」


「その黒いやつは、おそらくスライムを色んな奴と掛け合わせたものではないかの?伸びたり縮んだり、尖ったり。普通のスライムはそんな事は出来ない。ただある条件を満たせば自由にその形に変えることができる」


「それは?」


「魔物などを食べることじゃ。果物、肉などもそうじゃな。例えば…りんごを思い浮かべてみるとしっかり出来るはずじゃ」


俺はりんごを思い浮かべた。

すると手の上に黒いりんごが出来た。


「出来た…」


「手ぐらいの大きさだと手に生えるのじゃな。まぁとにかく、色んな物をスライムは捕食して、強くなる。恐らくそれは何処かで捕まえたスライムに色んな奴を食わせたのじゃと妾は思うのじゃ。それと…」


「それと?」


「分離出来るのじゃ」


「分離?どうゆう事?」


透はよく分かっていなかった。そもそも目が覚めたらこの状態だったので、出来ないと思っていた。


「その黒い奴は、そうじゃな…その透の左肩から先は上に被さっているだけなのじゃ。だから召喚した物を何か念じれば取れるはずじゃ」


「やってみる」


手の上にりんごがあるので離れろと念じた。

するとポトリと黒いりんごが落ちた。左肩から先は元の姿に戻っていた。


「思ったとおりじゃな。逆に戻れと念じてみろ」


透は言われた通り戻れと念じた。するとシュルシュルと音がして、左肩から先が黒くなった。


「戻った…」


「動く物も再現できるはずじゃ。あとで試してみると良い」


「分かった」


色々と性能は分かったが、こいつの名前などは一切分からなかった。

_________________________________________

読んでくれてありがとうございます。

応援よろしくお願いします。


不定期更新ですがこちらもどうぞ〜

↓↓↓↓↓↓↓

天才スナイパーの異世界射撃術〜ナギの暗殺日記〜


https://kakuyomu.jp/works/16816452221242949033


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る