第81話

バキンッッ


シュバァァン


バレットM82から放たれた一つの弾丸が一瞬にして転移門の方へ行った。


「うっ…これ…飛ばされるぞ…」


「威力高すぎたのじゃ…」


撃った直後、当然威力が高いのは砦なので衝撃波が発生した。


「飛ばされる〜!」


サナが吹き飛びそうになっていたがなんとかなった。ふと周りの人や木などがどうなったか気になった。


「おいおい…やばすぎるだろ…」


木々は吹き飛ばされ、土は抉れてそこに人はいなかった。


「威力高いが…まぁ転移門まで届いたんだろうな?」


「そうじゃな。ど真ん中に吸い込まれたのじゃ」


「そうか…ならあの一撃で終わればいいけどな」


「そうじゃな。でも転移門多分壊れたのじゃ」


「えっなんで?」


「吸い込む…転移される量には限界があるのじゃ。おそらくあれは全部使って向こうへと転移させた。機能は完全に無くなったと思うのじゃ」


「まぁそれだったら本当にありがたい」


サナが落ち着いた声で言った。


「透さん…バルが撃った銃がなんか変です」


「えっ?」


俺はバルが撃った、バレットM82に目が行った。


「なんだこれ…」


赤色の模様のような物がついた。


「まさか…魔法陣が…」


「そうじゃな。じゃが…一回きりの使い捨てにしたはず…透よ。これが終わったら少しこれを細かく鑑定していいかの?」


「いいぞ。俺もその原因知りたいからな」


「ありがとうなのじゃ」


「あの〜」


パンッ


「まだ敵いるので…」


パンッ


「手伝ってくれません?」


パンッ


サナが敵を撃っていた。


「すまんすまん。手伝うよ」


「手伝うのじゃ。敵も少なさそうじゃし」


俺たちは残った敵を仕留めていった。

そうしてたった5人だけで5万人を撃退したこの防衛戦を帝国側は「悪夢の3日間」ダリス側は「神々の奇跡」と言われるようになっていくのはまた後の話。

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