第70話

「じゃあ証拠を出せばいいのですね?」


「そうですね。まぁ出るわけないのですけど」


「お願いします」


ルーラがこっちを見て話しかけてきた。


「よし、じゃあバル頼んだ」


「分かったのじゃ」


バルが前に出て行った。


「妾はバルギエルと言う。以後お見知りおきを…」


ラグレはちらっと見てまたルーラの方に目が戻った。


「それで?証拠はどこですか?」


「証拠はここじゃ」


バルがそう言うと、例の氷を出してきた。


「これは?」


ラグレが訪ねた。当然ルーラは知っている。


「中をよく見ると分かりますのじゃ」


ラグレはじっと中を見た。その瞬間ラグレは少したじろいだ。


「こ、これは…」


「分かったかの?死体なのじゃ」


ざわめきが大きくなった。


「これは敵の死体なのじゃ、そしてこれが証拠なのじゃ」


バルは魔法を発動した。するとまた一つの線が伸びた。


「これは呪いをかけた人物を、特定する魔法です…ってももうバレてますが…」


その線はラグレに伸びていた。


「これであなたは終わりです。あなたの派閥はとても大きい。下の貴族達に問い詰めたらすぐに話してくれました」


「あぁ…あぁ…何故…何故…」


突然膝から崩れ落ち生気が無くなった。


「この人をお願いします」


ルーラが近くにいた兵士に言った。そして兵士はラグレを拘束してどこかに行ってしまった。


「今日はこれで終わります。大臣などは私が決めます。異論は無いですね?」


シーン…


「では、今日はこれで」


そう言ってルーラは下がっていった。

俺たちはその後をついていった。


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