第52話
しばらく歩いて分かったことがある。
それは人が倒れても気にしていないのだ。
「まるで、ここだけ別世界だな」
例え、病気であったとしても医者はここには居ない。一度かかってしまえばそこで終わりだ。
「流石にこれは不公平すぎる」
そして当然お金が無いから盗みをする。
だいたい子供が盗みをやる。
「にしてもどうして…」
何故こうなったかを知りたい。
「あ、あの…」
歩いていると小さな女の子がいた。ボロボロの服を着ていた。
「どうかしたかい?」
「お…お金ください…」
物乞い…か。
グギュルルル…
女の子はお腹が空いているようだ。
「あっ、ご…ごめんなさい」
「いや、いいんだ。取り敢えず今はこれしか無いけど食べる?」
俺はパンを取り出した。町を散策している時買っておいたのだ。
「い、良いんですか?」
「今はこれしか無いから我慢してくれ」
女の子はパァァァと笑顔になった。
やはり子供の笑顔はいいな。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その女の子が食べ終わったので話を聞く事にした。
「名前は?」
「ナギと言います…」
ナギ…変わった名前だな。
「じゃあ、なんでさっきお金くださいと言ったんだ?」
「それは…家が貧しいからです…」
やはりか。
「分かった。これでなんとかしろ」
俺は金貨50枚を渡した。
「あっ、えっでも…」
「良いから、俺はお前を助けたくなった」
ナギの目からポロポロと涙が出てくる。
「あ、ありがとうございます…この恩は絶対何処かで…」
「俺は当分王都にいる。俺らは冒険者ギルドにいる。場所は分かるよな?来るなら来い。一人で生きていけるぐらいには鍛えてやるから」
「本当にありがとうございます…」
ナギはずっとペコペコしていた。可愛いな。
「あっ出口だ」
「本当にありがとうございます」
「またな」
余談だが数十年後、ナギは暗殺者として活躍するがそれはまた別の話。
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読んでくれてありがとうございます。
応援よろしくお願いします。
その余談は書くので待っていてください。
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