第14話 せいさん(ちょうごう)

さて、調合室に来たけど、まずは薬草でポーション作りだな。さっき、調合クエストが増えてたけど、何故かケチャップを調合って。どゆこと?料理クエでなく、調合クエって。

まあいいや、兎も角、こちらに用意した初級薬草と魔力水。チュートリアルさんに教えてもらったレシピを元に作るぞー。

薬草はリョクにみじん切りにしてもらってから、調合セットのフラスコみたいな容器に魔力水とともに入れる。

ここでポイントは潰したイチゴをいれること。普通のポーションってまずいらしいから、イチゴ味にならないか実験も兼ねている。

そして僕が魔力を流し、撹拌していくとふわっと光ってポーションのできあがり。

意外と簡単だった。箱庭チートのおかげか?


【鑑定】

回復ポーション(小)―イチゴ味―

イチゴ味の回復ポーション。体力・気力の20%を回復させることができる。

擦り傷・切り傷・打撲程度なら即回復。

通常のポーションと違い、清涼感あふれる口当たりのいいイチゴ味のおかげで、薬嫌いな子供でもゴクゴク飲めちゃう優れもの。

特殊効果:継続的に経口すると体臭がほんのりイチゴの香りに包まれる。


鑑定したら、変な特殊効果ついてた。体臭がイチゴってどうなん。

これ、むさいおっさんが常飲したらイチゴの香りがすんの?なんかやだ。

あ。でも母が飲めば常にイチゴの香りで抱き上げられた時とかいいかも。こう、すれ違った女性とかから香るシャンプーの香りとかイイよね!そのうち飲んでもらうようにしよう。


クエスト

・薬草を調合してポーションを作ろう

達成しました


箱庭レベル2になりました。

新しいクエストが追加された。

山(鉱山)が交換可能になりました。

レシピ(調味料)を獲得しました。

レシピ(回復薬)を獲得しました。

アシスタント妖精を開放可能です。

滞在時間が45分になりました。


よっしゃー!箱庭レベルが上がった!!

時間伸びた!!・・・プラス30分されたってことか?

じゃあ、このまま調合クエやっちゃお。

えーっと、ケチャップのレシピは・・・


トマトケチャップ(材料)

トマト

玉ねぎ

ニンニク

砂糖

お酢(調合可能)

塩コショウ


え。トマト以外無いじゃん。あと、お酢は調合クエかよ。仕方ない。先にお酢だけでも作っておくか。


お酢(材料)

トウモロコシ


トウモロコシから穀物酢か。実際作るとなったら何か月もかかるから、調合の方が助かるかも。

よっしゃ。トウモロコシをコーンにしてリョクに潰してもらってから同じくフラスコに入れて魔力を流す。

撹拌されながら徐々に酸っぱい匂いがしてきた。ふわっと光ったのでもういいだろ。


【鑑定】

お酢

トウモロコシから作ったお酢。調合の際に水のみで撹拌・調合したので、少し酸味がとがっている。

アルコールも少し入れてみるともう少しマイルドな仕上がりに・・・


レシピ通りに作ったのに、鑑定にダメだしされた。最初から書いとけよ!

どっちにしろアルコール今は無いけど。そのうちリンゴ酢は欲しいからその時の参考にするか。

もうケチャップは後回しで。材料無いし。

ここまできたら次は錬金したい。


―マスター、ポイントがたまっているので、鉱山の開放が可能です。どういたしますか?


あれ?ポイント無かったんじゃ。


―リョクが大量に収穫・納品しておりました。


おお!リュカほんと頑張ってくれてたんだ。


―種各種(レベル2)も開放されております。新たなアシスタント妖精を開放して頂ければ、鉱山での採掘が可能です。


アシスタント妖精ってポイント交換じゃないの?


―ポイントは必要ありません。かわりにマスターの魔力を必要としています。


僕の魔力で開放できるの?


―そうです。アシスタント妖精は召喚されて箱庭に来ていますので。


ん?初めて聞いたぞ。


―妖精は現実世界にもいる存在ですので、そこから箱庭にきてもいい妖精をスカウトして召喚しております。

ですので、召喚時はもとより、召喚中はマスターの魔力を糧としてこの箱庭におります。


はい?初耳も初耳ですけど。


―初めてご説明しましたから。


ヲイ、開き直るなよ。


―リョクが来た時に選んでくれてありがとうって言ってたじゃないですか。


いやいやいやいや。察しろって言われてもそんなの無理だから。って僕が箱庭出た時は魔力無くて大丈夫なの?


―この箱庭自体がマスターの魔力で出来てるようなものですから、特に問題はありません。マスターが死んでしまった場合は召喚が解除されて妖精の国に戻るだけですし。


・・・僕、リョクを選んだ覚えもないんだけど。


―そこは、私がマスターと相性の良さそうな妖精をスカウト致しました。


ってことは、次の妖精も?


―採掘が趣味の妖精をスカウトしておきました。マスターの魔力も好みだそうです。いつでもどうぞ。


はぁ。。。もういい。そのうち、妖精の国に行けるなら僕が行って直接スカウトするよ。


―かしこまりました。あと2人は確保しておりますので、マスターが行けるのはその後かと。


分かった。じゃあ、とりあえず採掘が趣味のアシスタント妖精開放して。


―はい。同時に鉱山をポイント交換致しました。アシスタント妖精は鉱山に直接召喚致しましたので、嬉々として採掘を始めました。


え。まって、なんでそっちに直接!?


―なんだかんだでそろそろお時間ですので。


まず会いたかったのに!時間かよぉぉぉ


僕は虚しくも現実世界に戻されてしまうのであった。


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