第14話 アウトーーーーー!!!
「たいあっぷ」用の表紙イラストが完成!メインヒロインの水瀬さんがカワイイです。物語もいよいよ後半戦なので、よろしくお願いします!(^^)!
https://imgur.com/a/US4f0LP
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「お待たせしました…」
水瀬さんが試着室のカーテンを開き、姿を現す。いくつかのショップをはしごしてはや1時間、これで4度目の衣替えだ。
「ど、どうですか?似合ってますか?」
白い純白のワンピースに麦わら帽子。いつか見た夏の日の思い出、いや、海岸線の向こうに見た幻。
日本人離れした美しい容姿を持つ水瀬さんにぴったりの服装だ。
要するにー、
「グレイト!とても似合ってるよ水瀬さん。そのまま海に行きたい気分になる!」
「あまり褒められると恥ずかしいでしゅ…です。でも、嬉しい…」
「夏は海に行くのもありかもしれないね。リア充と言えば夏!そして海!」
「いいですね。行ってみたいです」
はにかみながらほほ笑む水瀬さんはとても幸せそうだ。恐らく、家族以外の誰かと服を階に行くのも久々の経験なのだろう。その姿を見てこちらも楽しくなるぐらいに。
「ふふふ、楽しい♪」
俺で良ければ、いつでも付き合ってあげたい。
(しかし、噂には聞いてたけど女の子って服買うの好きだなぁ)
そろそろ誉め言葉のストックが尽きてきたかもしれない。これまで彼女がいたことがない非リアには大変な作業だ。
まだまだ修行が足りないということか。
「リア充の道は遠いぜ…」
「?どうかしましたか?」
「いや、何でもないこっちの話。気にしないで」
「じゃあ、また新しい服を見せるので待ってくださいね」
「オッケー!楽しみにしてるよ」
水瀬さんの姿が再び試着室に消えるのを確認して、俺はスマホで時刻を確認する。
11時20分。
もう少ししたら買い物を切り上げて、パンケーキのお店に行こう。
そうすれば、水瀬さんの願いは1つを除いて叶う。
『キスをする』以外は。
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「よかった、うまくいって」
試着室のカーテンを閉めた後、亜里沙は小声でつぶやきます。誰かと一緒に服を買うのは久々の経験。少し不安もありましたが、矢崎くんのおかげか順調です。
なによりー、
(矢崎くんに喜んでもらえて、亜里沙は幸せです)
これまで矢崎くんには色々な迷惑や負担をかけてしまいました。直接言えば「そんなことないよ!」と否定するでしょうが、亜里沙の中ではしこりとして残っていたのです。これからは、少しずつでもお返しをしたいと思います。
不意に息切れのような感覚を感じ、胸に手を当てました。
(最近、矢崎くんのことを考えると胸がドキドキする)
今まで生きてきて初めての気持ち。
この気持ちを、直接伝えられたら…
「水瀬さん、どうかした?」
「い、いえ。なんでもありません」
頭を振り、試着用の服をまとめたカゴに手を入れます。
「えーと、次の服は…あれ、もうこれは着ましたね。楽しすぎて、手あたり次第にカゴに入れちゃいました…」
亜里沙らしからぬ失敗です。やっぱり、浮かれてしまっています。
「これも、これも着た。もうないのかな」
ごそごそと探っていると、真新しい感触に触れます。
新たな服が下の方に埋もれているようです。
ぷにぷにとしていて柔らかい。
「あった…って…これ…」
それの正体に気付いた時ー、
「あわわわわ…!」
思わず口癖が出てしまいました。
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「遅いな、どうしたんだろ」
20分ぐらい経っても、水瀬さんは出てこなかった。一般的に女性の着替えは時間がかかるというけれど、その割に試着室から物音は聞こえない。
さすがに心配になってきた。少しずつ試着室に近づいて、水瀬さんに声をかけようと試みる。
その時ー、
「うーん。アタシ好みのものが少ないなぁ」
背後から、常日頃見知った人の声が聞こえてきた。
嫌いではないが、今遭遇するのは避けたい人物。
慌てて建物のの柱の陰に隠れて見ると、思った通りの人物がいた。
桃倉さんである。
「とりあえずこれでも試着してみるか」
シャツとスカートを一着ずつ選んだ桃倉さんが、試着室へと歩いていく。
まずい。
このままでは、この前のように爆発する!
「ごめん水瀬さん、桃倉さんが来てる!」
「ふぇ!?」
「申し訳ないんだけど、試着室に隠れさせて欲しい!もう着替えた?」
「はい。着替えましたけど…その…」
「試着室はここかなー?」
「まずい、もうすぐそこまで来てる」
「わ、分かりました!入ってきてくだしゃい!」
「ごめん!」
カーテンを開け、俺は水瀬さんの試着室に入る。それと同時に、桃倉さんも試着室のエリアにやってくる足音が聞こえた。
「あれ。ここは利用中か。じゃあ、隣使お」
隣の試着室のカーテンが開かれ、人の気配が聞こえる。
なんとか逃れられたようだ。
ギリギリセーフ!
って待て、まずは水瀬さんに謝らないと。
「ごめんね。急に…」
後ろを振り返って声を掛けようとした俺だが、途中でフリーズしてしまう。
「み、見ないでくだひゃい」
大胆に露出した白ビキニを身にまとう水瀬さんが、そこにいた。
大胆に開いた胸元。
たわわに実った双丘と比して、小さすぎる布面積。
形のよい鼠径部をぴっちりと覆うパンツ。
なぜか痴女レベルの姿となっている水瀬さんと、試着室で2人きり。
「恥ずかしくして、死んじゃいます…!」
アウトーーーーー!!!
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