第24話:四階層
:三階層のボスを見たか?
:まさかのレッドドラゴンだったな
:倒せるやつはいるか?
:俺は無理だ! Sランク冒険者を呼ばないと無理じゃないか?
:だれか呼んでこい!
:呼べるはずないだろう!?
:だよな……。俺たちがSランクになるしかないか
どうやら、ドラゴンを召喚したのは正しかったようだ。
さすがにまだできていない四階層にすぐ行かれては困ってしまう。
ようやく通路を作り始めたのだけど、上のダンジョンと同じような感じだとすぐに飽きられてしまいそう……。
と、ちょっと変わったものにできないのかと、考えていた。
「変わったもの……、変わったもの……。何かないかな?」
「罠だらけで先へ行けないようにしてみますか?」
「それだとダンジョンを攻略できないよね!?」
遥も色々と提案してくれるけど、どうしても冒険者を倒すことを優先してしまうので、攻略不能なダンジョンになってしまいそうだった。
さすがにそれだとさすがに問題があるので、今度はエリシャに尋ねてみる。
「ダンジョンの四階層を作ってるの?」
「うん、そうなんだけど、次はどうしたら良いか悩んでてね……」
「エリシャはたくさんお宝がある部屋が良いな。たくさんお金が貰えたらうれしいよ?」
「お金……か」
確かに今までは経験値をたくさん貰える魔物がメインだった。
お金を落とす魔物は経験値を貰える魔物以上に高いんだよね……。
でも、それと遥の罠を組み合わせたら……。
「うん、いけるかもしれない。エリシャもちょっと来てもらって良いかな? あっ、宿の方が落ち着いたら……でいいけど」
「大丈夫だよ。お昼はみんなダンジョンへ行ってしまうからエリシャは暇なんだ……」
「そっか……、それなら一緒に四階層へ来て。エリシャにも意見をもらいたいから……」
「わかったよ。武器も持っていくね」
そういうとエリシャは大剣を背負おうとする。
すでにエリシャのレベルも40を超えている。
そろそろ大剣が持てるようになっていても、おかしくはないのだが、未だになぜか力がほとんど上がっていない。
その結果、エリシャは相変わらず大剣を重たそうに持っていた。
「えっと、それはおいていってもいいんじゃないかな?」
「だ、ダメだよ!? これはエリシャの宝物だからね!?」
必死に否定してくるエリシャ。
何か思い出でもあるのだろうか?
それなら無理を言うわけにはいかない。
それに、今回は別に敵を倒すわけでもない。
それなら大剣を持っていくくらい問題ないだろう。
◇◇◇
四階層へとたどり着く。
ここは既に照明を付けており、明るく照らされていた。
ただ、照明もぼんやりと周囲を照らすだけなので、それがどこか不気味に感じるとも言えなくもない。
「またちょっと雰囲気が違うね」
「うん、スラ妖精だけだと、さすがに持たないかなって……」
「そんなことないと思うけど? ほらっ、見んな喜んでるし……」
「えっと、みんなのことじゃなくて、僕のDPがね……」
さすがにスラ妖精を何度も復活させるのは、DP的においしくない。
現状だとプラマイぜろほど……。
他の収入がないとやりくりできない。
それが、他のダンジョンマスターが僕のやり方を真似できない理由でもあるのだけど……。
「あっ、そっか……」
「それで、なるべく冒険者の人を倒しつつ、冒険者の人が喜んできてくれる……。そんなところにしたいんだけど……」
ダイヤスラ妖精がそれに当たっていたのだけど、最近は数多くのパーティーが手を組んで、一気にダメージを与えて倒す……というやり方が編み出されていた。
もちろん、経験値が手に入るのは最後に倒した1パーティーだけ……。
でも、そのあとに待っている高効率な三階層のおかげで、喧嘩なくたくさんのパーティーが参加していた。
その甲斐あって、週に一度はダイヤスラ妖精は倒されている。
こちらも討伐する冒険者の数を考えると、元は十分に取れている。
でも、それまでだった。
更なる収入につながる何かが欲しかったのだ。
「うーん、それなら宝箱をいくつか配置しつつ、罠モンスターを配置するのはどうかな? 冒険者の人なら罠があるかもしれないってわかっていても宝箱は開いちゃう人種だからね」
「罠モンスターか……。ドラゴンを討伐できる人たちにそんなモンスターが通用するのかな?」
不思議に思いつつ、モンスターを探してみる。
そして、一体、それらしいモンスターを発見していた。
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