第3話ボッチにはコミュ力がない

幼稚園を遅れて入園して一年・・・私の祈りに反してただの一人も友達がいない。所謂ボッチというやつである。言ってて悲しくなるな。


理由?理由を知りたいというの?よし話してあげよう私の悲しいこれまでの軌跡を!!




ちょっと擦りむいて帰ったあと・・・熱を出して寝込むこと一週間。2~3日で熱は下がったのだけれどね過保護な両親とシスコン気味な兄の説得?我儘?のお陰でずっと家に引きこもっていますけど何か?


傷をこさえて帰ってきた娘・妹を見て大絶叫をしたのはお約束、モンスターなペアレントよろしく怒鳴り込みそうな家族を必死に止めて倒れたというのが本当の所であるが・・・。


そして気付けば一ヶ月ほど休んだ。そろそろ幼稚園へ登園したいなと思い幼稚園へ行きたいと言った時の家族の反応がこれまたすごかった。




「どうしても行くの?お兄ちゃん心配で学校なんかに行けないよ・・・よし!お兄ちゃんが付いて行ってあげるそうすれば何かあってもお兄ちゃんが守ってあげられるもんね。うんそうしよう!!」




何がだよ!って言うか学校行けよ同学年になる気かこの兄は!!


心の中で盛大に突っ込んだ声に出したら要らん事まで言いそうだったからね?!




「お母さまも心配だわ。また怪我なんてして傷でも残ったらどうするの?女の子なんだもの心配だわ。それに初登園で怪我をして熱を出して倒れたじゃない・・・またそんな事になったら大変だものもう少し様子を見ましょう?」




イヤイヤイヤイヤ倒れたの必死に家族を止めたのが原因だからね?!たぶんおそらくきっとそうだよね?




「そうだよ。無理をするものじゃないよ。瑞姫の事はお父さまも心配だよ。お前は生まれた時からあまり丈夫じゃないんだよ?また何かあったらどうするんだい?あと数ヶ月、数年くらい休んだって変わらないよ?」




おい!数日じゃなくて数か月って何?数年って何ですか!?そんなに休んだらただの引きこもりになっちゃうじゃない!!それだけは勘弁してください!!今世は前世出来たかったことをしたいんですよ!!




「そうだよ瑞姫。勉強なら僕が教えてあげるから無理して幼稚園に通う事なんてないんだよ?」


「そうよ瑞姫ちゃんはあまり丈夫じゃないんだから無理して通う事は無いわ」


「私たちを安心させておくれ?」




等々延々と説得と言う名の泣き落としが続き、さらに幼稚園の先生が訪ねて来ても私が会う事もなく母さまとかが私がとても傷ついていてとてもじゃないが通うなんて無理だと結局のところ辞めることになった。


流石にそのままというわけにはいかないでしょ?病院の先生・・・主治医の先生にそれと無く相談したら「なら院内でやってる教室に通ってみないかい?」と言われて飛びついた。そして週に何度か通っているけれどもそこでも友達ができない・・・理由?男の子はまずお兄ちゃんにスッパーンと弾かれる。なら女の子ならいいんじゃない?と思うでしょでもこれもダメと弾かれた・・・主に下心満載な女の子が多かった。私の友達になってお兄ちゃんと仲良くなりたいていうね・・・兄の(真っ黒い)笑顔で引き下がるというか近寄らなくなった。最近の女の子って早熟なのね・・・まぁお兄ちゃんは攻略対象であるために顔はいいとても・・・性格もいいのだけれど私が絡むと酷いシスコンだから仕方ないのだろうか?ゲームでもシスコンだったしなー。


兄、小鳥遊 響私たちの3歳上。髪と瞳の色は私と同じで淡い金髪に薄い紫の目だけどちょっと兄さんの方が色が濃い。超が付くシスコンで私が絡まなければクールなイケメンさんだ。


ただ兄ルートに入ると半ばくらいから妹、瑞姫が体調を崩すそれから暫くして闘病虚しく亡くなるのだそこから主人公である慧人が励ますって言うか傷のなめ合い?みたいな感じだけど響はヤンデレ化してくんだよ・・・でもって響が安心するならこのままでも良いかと諦めかける慧人だったけどある日瑞姫からの手紙が届くんだよ。それを読んでこのままじゃダメだと奮起してハッピーエンドに向かうんだがヤンデレ成分は薄くなるが無くなってなかったなーアレって誰得だったんだろう?


ある事をしないと手紙が届かずバッドエンドまっしぐらになる。バッドエンドは何とか立ち直ろうとする慧人を束縛どころか監禁して瑞姫の代わりにするっていうな・・・アレは怖かったうっとりとした狂気的な笑顔の視線の先に居るのは怯えた顔で鎖に繋がれた女装した慧人勿論瑞姫の髪の色の鬘を被り瞳も同色になってたそして名前も慧人じゃなく瑞姫呼びになってた。狂気っていうより狂ってたのかもしれないなぁ今思えばだけど。


・・・慧人の女装は似合ってたと思うがあの響は怖かった。病院だから余計に夜怖くてライト片手に頭から布団被ってて看護師さんに苦笑いされた事までセットで思い出したよ・・・アレは看護師さんと目が合ったとはめっちゃ恥ずかしかったね。


だから思い出したらアレですよ私健康に気を付けなきゃって余計に思うわけです。




そして健康も大事だがコミュ力も大事だと気付いたんだが今世の私はコミュ力上げようとしてもその前に家族・・・主に兄に友達を作りを邪魔されるようです。




じゃねーですよ。あのゲームでは偶に慧人君が相談に来ると瑞姫の親友が居てそそくさと帰っていくていう描写があった。だからまだ諦めるのは早い。


だけどね・・・お友達は名のないモブだったしいつ出会ったのかとかの何時からの友達なのかっていう描写が無かったんだよ。設定資料にも公式にも載ってなかっただから困ってるんだけどね?


小学校で出会うのかな?幼馴染って言っても慧人君とはあれから数えるほどしかあってないしね。


そう・・・お兄ちゃんが笑顔で邪魔をするんだよ。




「瑞姫はあまり丈夫な子じゃないからね?それに可愛い可愛い僕の妹に悪い虫なんて要らないでしょ?」




と、よくわからない理論を展開して閉め出してしまうのでほとんど話せない。


会話らしい会話は幼稚園に行ったあの1日に話しただけである。あとはこんにちは~の挨拶しかしてない。幼馴染みとは何なのだろうかと最近は考えている。だってこのままでは慧人君の恋のお悩みを聞く何て夢のまた夢になってしまうじゃない。


それは困る。今世の私の楽しみが消えちゃうじゃない。これは由々しき事態よ。何とかせねば。






暫く考えたが何にも思い浮かばないだってコミュ力なんて私にはないモノだしね!誰かコミュ力をください【切実】


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