第2話 タイルにレビューは書きません

 ストーリーは、例えるなら器。


 ラストまできちんと、その器(ストーリー)全体像を作り上げる事に、意味があると感じています。


 本当は何を、描きたいですか?


 物語(建物)の一部ですか?


 浴室のタイルだけですか?


 全体を通してテーマを伝える事ができなければ、ストーリーをただダラダラと続けるだけでは、美しい陶器のカケラを、綺麗なタイルの一部分を、「描写力」という力によってただ、思いのままに表現しているだけです。


 それってめっちゃ、つまんないです。


 そのタイルはめちゃくちゃ綺麗でも「すごく綺麗だね〜!」という感想しか、浮かびませんしね。


 そうではありませんか?


 だから私は、完結している物語以外のレビューを書く気は、さらさらありません。


 過去2回だけ、その気持ちはどこか遠くへと飛んでいき、情熱のままレビューした事があります。


 タイルの美しさにときめいて、心底魅せられたからです。


 でも残念です。


 まだその物語はどちらも、完結していないのですから。


 続きが気になって仕方ありません。


 どんな結末でもいいから最後まで、読ませていただきたいなぁ……と感じてしまいます。


 その「建物」全体像を伝える事が出来ておらず、細部の表現だけに留まってるだけの小説って、何を伝えたいのかが結局、わからないままです。


 読み手としては、ストーリーの形にする意味がないのでは?? と、どうしても感じてしまう。


 音楽や、詩と同じです。


 途中で止まったらそこで終わり。


 何が伝えたいかが最後まで、理解出来ないまま。


 結局、何なんですか?


 読者を馬鹿にしてるんですか?


 このトキメキを返して下さい。


 一体何が伝えたかったの??


 悔しかったら、歯を食いしばって、最後の最後まできちんと書いて下さいよ!!


 言いたかった事を、ちゃんと伝えて下さいよ!!



 最後まで付き合いますから。



 ストーリーの中で、演じる役者(キャラ)がいて、エピソードがあって、それを通してラストまで作り上げ、作品全体を通して、全てのテーマを伝えていく。


 それって最も、大切なことなんじゃ無いでしょうか。


 自分に負けないで下さい。


 ちゃんとラストまで伝えて下さい。


 自分の存在を、ただ誇示したかっただけなんですか?


 影響力に酔いたかっただけ??


 それって悲しいですよね。


 何だか虚しいですよね。


 誰も彼も、アプローチが違うだけ。


 でも本当は同じはずです。


 私はエタった事がありました。


 だから当然、誰にも何も言う権利など本当はありません。


 ただ、あの時の、自分の弱さに負けた自分を、許したりはしませんよ。


 だから今度こそ、死ぬまでちゃんと、歯を食いしばってでも、伝えてみせる。


 悔しかったら挑んできて下さい。


 もう私は、自分に負ける気はありません。


 私はあなたの強さが見たい。


 私はあなたの正体が知りたい。


 あなたが知らないあなたの姿に、ちゃんと私は近づけています。



 だってちゃんと、見てるから。



 この目で。



 見ない人間が、負けです。



 自分の事も、他人の事も。



 タイルに興味はありません。



 私が求めるのは『真の物語』だけ。



 伝えられないと感じるのなら、ただ喚き散らせばいいんです。



 それがあなたの、本当の物語になるんですから。






 

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