妄想全開・女子(?)。
とさまじふ
第1話 ハーレム「オエッ」?
私の性別は一応、女です。
『ハーレム』という言葉に、なぜか大変興味があります。
なので時々『ハーレムっぽいシチュエーションの、WEB小説』を、読ませていただいております。
大変面白いです。
人によって異なる感覚をお持ちなので、『ハーレム』という言葉の意味をどう捉えるのかは、自由ですよね。
当然何を書かれるかについても、個々の自由です。
深く考えさせていただける内容の物語に出会えた時は、本当に嬉しくなります。
ハーレムについては、ストーリーを読み進めるうちに、自分の心がストーリーのどのあたりで、どう動くのかを知っておきたいんです。
女性向け恋愛小説を書いていた時は、男性側の厳しいご意見を知っておきたいと思っていました。
自分の小説って、男性側サイドから見たらどのあたりで「オエッ!」となるのかな?!
という好奇心です(笑)。
自分が書いた小説を一つ例にあげていうと、『いきなり図書館王子の彼女になりました』という小説の中で主人公の沙織は、3人の男の子に好かれます(笑)。
沙織は同時に複数名の男の子と付き合ったりは、しませんでしたが。
何だかそういう少女漫画的シチュエーションってきっと、男性側から見ると全く興味をそそられないんだろうな、と思うのです。
逆に。
とあるWEB小説を読ませていただいた時に、ある「オエッ!」が襲いました。
男性主人公が、複数の美女や美少女の、顔や肌や巨乳やスタイルに惹かれまくってデレデレと鼻の下伸ばしたり、いやらしいことをウヒウヒ想像しながらニタニタ笑っているシーンなどをお見掛けした時に正直…………
「オエッ!」
と気持ち悪くなり、いかがわしい感覚に襲われました。
実はそういう気持ちと同じ症状(?)って、女性側にもある気がします。
複数の男性(特にテレビなどに出て来るアイドルや俳優さん達のような、イケメンや美少年たち)がたくさんいる場所を想像すると、私などは…………
「うわぁ~幸せそう~! あの中心にダイブしたい~!!」
ってなります(笑)。
(あくまでも私の場合ですよ?)
だから男性側の気持ちって、女性側も想像できるんです。
でも「オエッ」や、いかがわしい感覚も少し、襲ってきます。
なぜでしょう。
一瞬話は変わりますが、実は遠い過去に、オスマン帝国のハーレムに興味を持った事があります。
きらびやかな宮殿、ハーレムの女性達。
美しく、哀しい雰囲気に惹かれました。
オスマン帝国に類似した架空の国を作って、そこで生きる女性たちを中心にした小説を書こうとした事があります。
退廃しきった歴史を持つ王国を舞台にする事にも興味がありましたし、人間達が織りなすドラマがたくさん浮かんできそうな気がしたからです。
でも実際に資料を調べたりして「さぁ、書き始めようかな!」と思うと、全然気分が乗らなくなり、とてもじゃないけど書けませんでした。
難しいんですよね。
特に細やかな女性側の感情の表現。
女性達の気持ちを考えると哀れ過ぎて、考えれば考えるほど気持ちが滅入っちゃうんです。
だって女性たちは身も心も、婚姻を結んだ『王』に捧げてしまうわけで。
それだけは変えられない事実。
恥ずかしくて痛い思いをしながら、王に自分の体を捧げる事になります。
王に情が湧く場合だってあるでしょう。
最初は大嫌いでも、夜を共にするうちにいつしか、好きになっちゃう可能性もあります。
本当の意味で王を愛してしまえば、気にかけてもらっている間だけは、幸せな気持ちでいられるでしょうね。
つまり寵愛してもらっている間は、です。
でも逆に、それ以外の時間は地獄です。
自分が王を愛すれば愛するほどです。
王は他の女の事で、常に頭がいっぱいなわけですからね。
何なら今この瞬間も、その女を抱いているかもしれません。
その女に気に入られようとして、何か色々と考えているかもしれません。
そんな男に一瞬でも抱かれたなんて想像すると、私なら「オエッ」となって、耐えられなくなります。
正直、もう夫婦の縁を切ってしまいたくなるでしょう。
でもハーレムって、そういうわけにはいかないですよね。
王宮から出られず、一生そこで過ごさなければならない。
だとしたら。
王を殺して、あるいは王が寵愛した女やその子供たちを皆殺しにして、自分も死んでしまいたくなる可能性も…………。
愛が深くなればなるほど皮肉なことに、そうなってしまいそう。
「他の女の子とイチャイチャしてんの? あら別に~? 全然いいわよ! また私の所に戻ってきてくれればいいのよ。そしたらまたあなたに、うんと抱かれてあ・げ・る・か・ら♡」
とは、ならないわけです。
それって「愛してる」って言わない気がする。
単なる『性欲を満たす道具』としての相手に対する、都合のいい言葉です。
今でいうならセフレでしょうね。
ハーレムの女性達の割り切り方は多分、こうです。
「あなたに抱かれてあげるわ。でもそれは、私の欲望を満たすための手段に過ぎないの。だからあなたの子供を産むのも育てるのも全て、私がこのハーレムの中でのし上がるためなのよ? 誤解しないで頂戴ね。私、本当の意味であなたを愛してるわけじゃないのよ?」
という気持ち。
これならまぁ、まだ理解できます。
自身の欲望を満たすために、王に体を捧げているのですから。
体にも利用価値がある。
そういう諦め。つまり割り切り。
でもその考えそのものが何だか、自分を切り売りしているからこそというか、一番高給な娼婦にのし上がってやろうという欲望の権化としてしか、私には映りません。
「自分の体に商品価値があるうちに高く売りつけて、あとは欲望のまま遊んで暮らせばいいじゃん?!」
みたいな。
そう割り切らないと、生きていけない。
そんな想像を絶する感覚、理解できそうにありません。
何だか哀し過ぎます。
体は高く売れたとしても、心を大安売りするしか無いわけですから。
王にとっての、心からの友人になって、何かあった時に力になるとか応援するとか、そういった立場に変われるのなら…………嬉しいかも知れないですけどね。
性奴隷としての立場ではなく。
妻になることとはつまり、その立場から逃れられないわけですから。
誇り高い女というのは、他の女に一瞬でもうつつを抜かす男になど、二度と抱かれるのはごめんだと考えるのでは無いでしょうか。
まぁ、あくまでも私の考えですが。
それに王の寵愛を求める立場でいる限り、ハーレムの女性達は到底、友達同士になんてなれませんよね、きっと。
みんなライバルです。
だから、侍女以外に本当の意味で仲良くなれる人なんていないでしょうし、みんなずっと孤独なんだろうな、と思います。
オスマン帝国のハーレムの女性達も、そういう嘆きをつづった手記を残しておりますし。
現実でそのような状況に陥った時、女性たちはやりきれなかったでしょうね。
その生き方に慣れるしかないわけです。
泣きそうです。
逆に。複数の男性が一人の女性だけを愛してちやほや、ハーレムを作るのだとしたら?
似たような感覚に陥ってしまい、それもどこかでオエッとなるでしょうね。
あくまでも想像上の話ですが、自分が主人公だとして男性たちが自分のことを全員、女性として好きになってくれたとしたら?
お気持ちは大変嬉しいですけど(そんな状況はない!笑)、何だかかなり大変そうですよね。
どんなにモテても、同時に複数の男性とは恋愛できないし(←ひたすら妄想中)。
「今日はこの人に抱かれて、明日はこの人に抱かれて、明後日はこの人に抱かれたい!」
これ現実だとしたら、不気味過ぎます。
てか抱かれるのって最初、とても痛くてしんどいです。
だから性行為そのものに女性って最初、かなり抵抗あるのでは無いかと思うのですが、これって私だけが感じていた事でしょうか?
同じ女性であっても、別の感覚をお持ちの方がたくさんいらっしゃることは、よく理解しております。
でもこの「オエッ」となる感覚って、もしかすると。
あくまでも個人的であり想像上の話なのですが、動物としての本能というか、(自分は女性ですが)人間の『性欲』から発する何かに起因するのではないか…………と、考えてしまいました。
主人公が男性であっても女性であっても、『ハーレム』の根底ってたいして変わらない気がします。
一人の主人公を、複数の異性がとことん愛する。
とにかく愛する! 愛する! 愛する!
ぶっちゃけ、どのあたりまで読み進めたら自分以外の誰かが「オエッ!」という感覚になるのか、ものすごく知りたい(笑)。
男性と女性の感覚の違いも知りたい。
ある男性作家Rさんが書かれた冒険小説の場合。
ハーレム箇所に注目して読むと、このようになります。
主人公の〇君は、幼馴染のAちゃんBちゃん、腹違いで血のつながっていない可愛い妹のCちゃん、年上のDさん(全て女性)と一緒に、冒険の旅に出かけました。
AちゃんもBちゃんもCちゃんDさんもそれぞれ、主人公〇君の事が大好きです。
ここまでは、自分も楽しく読めます。
キャラクター達の魅力、光り輝いていますしね。
冒険に出ると数々のエピソードがあり、主人公と女性たちは助け合いながら成長していきます。
ほろっと泣けるシーンも出てきます。
なぜかその世界では、一夫多妻制が認められています(笑)。
ここで私は「一夫多妻制」というワードに、オエッとなります。
「一夫多妻制が認められるんなら、一妻多夫制も同じ国の中で認められなきゃおかしいじゃん!」
って私の場合は思っちゃいます。
まぁその逆で、一妻多夫制を舞台にした小説もあるわけで。
どちらも言いたいことは一緒。
いいなぁ、この世界。
こんな所にいたいなぁ。
同じ性別の読者にそう思わせたい、という作者様の意図が隠されています。
でも逆の性別の人間が読むとどこかで「オエッ!」が襲い来る可能性がある(笑)。
自分がそうだから。
知りたいです。
Rさんが描く物語の世界では、AちゃんもBちゃんもCちゃんもDさんもとにかく女子全員が、主人公の〇君の事を大大大好きで「彼のお嫁さんになりた~い!!」と思っています。
それらは個々の感情なわけだし、女子一人一人が楽しく妄想することは自由だから別に、そのままでいいんじゃないかな~と微笑ましく思うんですけど。
お嫁さんになりたいくらいみんなが〇君を深~く愛しているにも関わらず、どうして平和にハッピーに、パーティーを組んで仲良しこよしで、旅が続けられるのでしょう?
そこがどうも引っかかります。
少しくらい女同士の痴話喧嘩とかしないのかな? フツー。
みんなこんなに、キャラ立ってるのに。
対主人公の感情だけが、ほんわかすぎる。
仲良しこよしに、気持ち悪さを覚えます。
正直、吐きたいくらいに。
まるで女子しか出てこない、ほんわかアニメキャラが大奥に入ったさまを観せられているようです。
だってですよ?
みんなが〇君のお嫁さんになれるのだとしたら当然、〇君を深ーく愛している女性全員が、「彼の寵愛を、誰が受けるのだろうか?!」という事に注目せざるを得なくなりますよね?
いつしか喧嘩したり争ったり戦ったり、悲しんだり苦しんだり悩んだりするはず。
思惑は人それぞれでしょうが。
ほんわか仲良しこよしでハッピーに生きていられるなんて到底、ありえないわけです。
あくまでも私の感想ですけど。
つまりそのお話ってどんなに面白くても、女性側から見たらハーレム箇所だけいうと『リアリティ感ゼロ』ですし、「女を馬鹿にしてんの?!」っていう気持ちにすらなります。
「複数の女の子と同時にラブラブになったりエッチしたりする男なんて、友達にならなれるけれど、決して愛したくはならない。もしそれが自分の旦那だったなら、顔も見たくない。速攻別れたい。思い出すのも嫌。なんなら殺してやりたい」
というのが、ハーレムに入って相手を愛した際に(?)私に襲い掛かる感覚になるのではないかと、想像しちゃうわけです(笑)。
この男とは絶対結婚できないわ、私。
馬鹿野郎。最低。
あ、もうこの物語、気持ち悪いし吐き気がするから読みたくないな。
苦しい。
と感じてしまうのって、こういう瞬間です。
じゃ読むなよ。
って言われそうですがホント、おっしゃる通りです。
読まなきゃいいんです。
ごめんなさい。
自分が死んでからなら別に、相手に好きな人ができようがエッチしようが構いませんけどね。
誰も傷つかないですしね。
生きている場合、相手が自分一人だけを選ぶわけではない、という状況。
自分以外を、異性として愛する可能性があるのだ、という状況。
それがとても歪んで感じるのです。
ただ沢山の人と、心と心で繋がって、信頼関係を築けて、深く仲良くなるだけなら美しい。
でも複数との同時恋愛は?
男女の関係になるのは?!
本能がタブーだと叫んでいる気がします。
これって個々の感覚がどうだとか、フェアであるからどうだとか、それ以前の『本能』の話なのでは無いのかな、と私個人の感覚が訴えています(笑)。
それまでに信頼関係を築いていたなら、兄妹愛みたいな気持ちに戻っちゃうかも。
夫婦としては無理。
愛は無理。
ハーレムが主題じゃない場合は、物語を最後まで読ませていただきますけれど。
ハーレム推奨の小説さんたち、ごめんなさい。
何故ここまでこのことに引っかかるのか、謎です。
自分が深く愛し続けたいと思う人を一瞬でも裏切って、深く傷つけたい人間なんているでしょうか。
愛する人のことを気にかけたり思い出すのを忘れて、本能の赴くまま欲望に突っ走るから、悲劇が起こるのだと思います。
どんなに設定や世界が「一夫多妻制」であっても、神話の時代から永遠にこの本能は似通っている気がします。
愛する人が、複数名を同時に愛せば、誰かが深く傷つく。
その中で上手く生きることができるかどうかは、別問題です。
本能を理性で制御し、ハーレム欲は脳内にとどめ、愛する人を傷つけないように守る。
そういう人が、誠実だと感じます。
それ以外は全員ゲス。
そう感じるのって、私だけでしょうか。
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