第577話 海の将2
お知らせ
すみません。続きを上げるどころか遅延してしまいました。
通院したせいで体調を更に崩すとか本末転倒なことに……。
順番飛ばされて、診察4時間待ちとか……。
予約診療の予約時間って何?
お目汚しすみません。
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俺の「黙れ」という命令に忠実に従うアメコミヒーロー。
しかし、その目には明らかな反抗の意志が見て取れた。
俺が望んでいるのは、
命令したことだけに従う反抗的な将など必要ではない。
この命令にだけ従うというのは、命令外の抜け道により何をするか判らないということだからな。
「言いたいことがあるならば聞こうか。
俺たちに敵対しない、邪魔をしないならば、束縛はしない。
この状況が嫌ならば、好きにしてもらっても良い」
使えないならば眷属枠を解放したいところだが、特別セールのせいでこいつを解放出来ない。
ならば、眷属のまま好きにしてもらうしかない。
だが、敵対するならば……残念だが処分するしかないかもしれない。
アメコミヒーローは俺を睨みつけながらブツブツと小声で何かを呟き、「黙れ」という命令が解除されたことを確認していた。
その強制力の強さを噛み締めているようでもある。
「我は海神の使徒である。
魔王如きに従うような存在では……」
そう口にした途中でアメコミヒーローが固まった。
「なんだそれは?
真の勇者?女神の使徒?
それがなんで魔王なんだ?
いや、なのです?」
アメコミヒーローが俺のステータスを覗いたのか、半パニックで呟く。
何やら、たぶん俺が聞いちゃいけない文言を呟いたぞ。
「女神の使徒」って何だよ。
そもそも召喚時に女神に会ってないし、何の事情説明も聞いて無い。
俺のステータスにもそれは表示されてないぞ。
アメコミヒーローのステータスにも鑑定とかの情報取得系のスキルは無かったからな?
何の能力を使って見たんだよ?
「まあ、全てひっくるめて俺だ。
で、海神の使徒は、女神の使徒の下には付けないってことで良いのか?」
ここは女神の使徒という立場を最大限利用させてもらおう。
俺が問い詰めると、アメコミヒーローはしどろもどろになった。
やはり女神の使徒の立場は、海神の使徒よりも上のようだ。
あれだけ偉そうだったアメコミヒーローが、借りてきた猫状態になっている。
「女神様はこの世界の主神――創造神様を示します。
その他の雑魚女神どもは、その役職名で呼ばれるのです。
女神様と言えば創造神様、海神様はその下位の神となります」
どうやら女神の使徒は、他の神の使徒からは敬われる存在らしい。
いつのまにかアメコミヒーローが敬語を使いだしたぞ。
「ああ、そうなると、管轄違いで働けないということか」
「滅相もございません。
女神様の意志により呼び出されたとあれば、従うのが努めであります」
おお、態度も改まったし、どうやら使えそうだぞ。
「えーと、名前があればそれで呼ぶが……」
「我の名はトリトン、海の「それ以上はダメ!!!!」」
危ないところだった。
がっつり危険ワードじゃないか。
白いイルカとか居ないだろうな?
オリハルコンの武器だけは持たせないようにしよう。
敵対者を皆殺しにしかねない。
原作者の神様も天国で激怒してしまう。
俺は必死にフラグを折っておいた。
「ところでトリトン。
この世界に教国という宗教国家があるのは知っているか?」
俺が話題を変えると、教国と聞いたトリトンが渋い顔をした。
「あのバチ当たり国家ですか?
女神教を名乗っていますが、あの国の者の信仰は女神様には向いていません。
あれには海神様もお怒りなのですよ」
おお、神様関係者から、新情報が手に入ったぞ。
やはり偽女神信仰だったか。
「その教国が帆船を使って悪さをしていることは知っているか?」
「我らの庇護下にある海棲魔物のマーマンや
知っているなら話しが早いな。
「そのマーマンと
そして、教国の海洋進出の拠点をマーマンを中心にした部隊で攻撃しているところだ。
だが、マーマンは御しにくくてな……」
「何と、そうであったのですか。
つまり、我は、そのお手伝いで呼ばれたと?
何という光栄、その努め、お任せくだされ」
うん、いつのまにか忠臣を得たようだぞ。
俺が魔王でもあることは、もう気にもしていないようだ。
「トリトン、マーマンたちの指揮官として海軍を任せる。
俺たちと共に教国と戦って欲しい」
「畏まりました。
このトリトン、誠心誠意尽くすと誓いましょう」
最初はどうなるかと思ったけど、有能な将を手に入れられたようだぞ。
パリパリパリ
その時、もう1つの卵が孵り始めた。
失敗を想定して用意した保険の卵だ。
時間差で孵るように調整してあったのだ。
だが、トリトンという優秀なアメコミヒーローを手に入れた後、何が孵ってもそれは余剰になってしまう。
当たりが先に来てしまうと予備に期待が持てなくて困るという現象だろう。
いや、ここはどっしりと構えて、もう1人を受け止めてあげようではないか。
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