第576話 海の将1

 翌朝。朝風呂で露天大浴場に行く。

ここは温泉があるため、いつでも風呂に入れるのが良い。

城にも風呂を作ったが、やはり露天大浴場は格別なものがある。

昨夜の汚れを落とすために結衣と瞳美ちゃんも一緒だ。

当然のように混浴なのはもう諦めた。

嫁だから問題ないのだ。


 ここには俺専用個人風呂がある。

男女の区別に疎い紗希が男湯札が出ていても入って来るため分けたのだが、言っても無駄だったため、今はただの小さな風呂になっている。

女性には別風呂に入らなければならない日があるらしく、その用途で使われることがあるぐらいに俺の使用頻度は落ちていた。


 今日も誰も入っていないことを確認して露天大浴場で嫁と混浴だった。

小さい風呂に入っても混浴なので、それならば露天大浴場に入った方が脚が延ばせるというものだ。

嫁だから問題ない。大事なことなので二度言わせてもらった。


 そしてハプニングもなく風呂からあがる。

戦闘の高揚というものがあるが、昨夜の中継地攻撃で、俺も昂ぶっていたらしい。

それは昨夜解消済み。

朝からもう一戦ということは無かったし、誰かの乱入も発生しなかった。


 朝風呂から部屋に戻ると、昨夜の痕跡はメイドによってきれいさっぱり消えていた。

バスローブから外出着に着替える。

嫁2人は裁縫女子の作った部屋着だ。

なぜか俺の部屋には嫁専用クローゼットがある。


「大浴場、ちょっと遠くなったね」


「そうだな。今は良いけど、冬は困るな」


 自室が城へと移ったため、露天大浴場までは距離が出来てしまった。

城にも風呂は作ってあり、温泉を引いてあるので、冬場はそれでも良いのだが、露天大浴場というのはまた違った趣がある。


 何か考えておくべきか。

幸い湯量は潤沢だ。

もう1つぐらい大浴場を作っても余りある量だ。


 ◇


 海棲人類の卵をアイテムボックスに入れて、北の港町まで疑似転移して来た。

結衣と瞳美ちゃんも何が孵るか興味津々だったが、海棲ということで海で孵すことにしたのだ。

モササウルスの時も、想定外に大きかったので慌てたからね。

養魚場のプールがあったから良かったけど、あれを超える大きさだったら最悪だった。

あれでも子供だったおかげで助かったけどね。


 海棲人類だからと人間サイズと思ったら大間違いだ。

想像の斜め上を行くのがたまごショップの卵だ。

地球でもポセイドンとか巨人で描かれているからね。

いや、あれは分類では海の神様だったか。

俺は船に乗れる指揮官を望んでいるけど、ガチャ要素の高いたまごショップでは想定外のことは起こり得るのだ。


 そう嫁に説明して、北の港町まで来たわけだが、残念そうにしつつも嫁たちは同行を諦めた。

一応、戦時だし、俺はこれから空母まで移動だし、安全を考えてね。


 海棲人類の卵は、2つ購入した。

まあ、何が孵るかわからないため、保険というやつだ。


 昨夜購入してから半日後、ついに孵化が始まった。

そして最初の卵は?



眷属 トライデント族 成体(雄) ▲ 槍術 高速水中移動 水魔法 変化                      指揮統率

 特記事項:スケイルメイル、三又矛装備



 見た目アメコミヒーローが出た。

スケイルメイルと三又矛を装備していて海神ポセイドンという感じの出で立ちだ。

海人シ〇マンというと語弊があるし、アク〇マンだと危険だ。


「くっ、我を眷属にするだと?

身の程知らずが!」


 しかも反抗的。

卵から眷属化してなかったら、俺に従っていたか疑問だ。


「うるさい、黙れ!

好きでお前を呼んだんじゃない!」


 ついそう言いたくなってしまった。

いや、口に出ていた。


 だが、それにより判明したことがあった。

こいつ命令には従うぞ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


お知らせ


 すみません。本日通院のため短いです。

帰ってから続きを上げる予定。

スマホで書ければ良いのですが、フリック入力遅いんです。

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