第188話 竜卵孵る2
お知らせ
さちぽよの本名表記に「早知」と「彩知」が混在していました。
「早知」が正解です。
誤変換したうえ、それをそのままステータスのテンプレとして使っていたため、複数個所で間違えてました。すみません。
一応修正しましたが、漏れがあったら教えてください。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
次の竜卵から出て来たのは、小型肉食恐竜みたいな奴だった。
「魔物でも恐竜みたいな奴が居るんだな。
あの牙、どう見ても肉食だな……ヤバい奴じゃん!」
俺は慌てて眷属化を行った。
孵った魔物は一定時間、契約のためのインターバルがあって暴れることは無い。
その間に眷属化か放出かを決めなければならないのだ。
孵った個体が危険生物だった場合は速やかに眷属化して支配下に置くか、その場を離れて安全を確保する必要があった。
なので、今回玄関前広場などという、云わば俺たちの安全地帯で孵化させるなど、安全面を考慮するならばするべきではなかった。
巨大ムカデなどは、孵化が壁の外だったから内側に逃げ込むことが出来たが、中で孵っていたら眷属化しない限り皆の命を危険に晒すところだったのだ。
今回の小型肉食恐竜も、そんな危険生物だった。
ラプトルか、アロサウルスの幼体か……。
あまり詳しくないし、ファンタジーが乗るとそもそも違う種類の魔物だろうし、個体識別は出来なかった。
ああそうか、ステータスで判るんだった。
俺はステータスの眷属欄を見た。
眷属
様相に反して、ティラノサウルスの幼体だった!
いたんだ、恐竜。こいつ魔物じゃなくてマジ恐竜なんだ……。
てっきり、ファンタジー竜だとばかり思っていたよ。
しかし、こいつの戦闘力は凄そうだな。
いや、デカくなるんだよね?
餌は? 巨大化するまで何年?
そもそも巨大になっても飼えるのか?
GKみたいに自給自足してもらうのも手だな。
こいつは屋敷の防衛力としても、纏の素材としても優秀そうだぞ。
ティラノ纏、なんだか凄そうだ。
バキ、ベキ、ポキ。
最後の卵が孵る。
出て来たそれは明らかにファンタジー竜の幼体だった。
おそらく〇〇ドラゴンと呼ばれる種類だろう。
この子も直ぐに眷属化する。
幼体であっても、そこは怖い竜なのだ。
ドラゴンならばラキの上位にあたる竜種になるのかな?
ステータスは……。
眷属 モドキドラゴン幼体(???) ▼
「は? モドキ?
どうやらドラゴンに見えるがドラゴンではないらしい。
「最後にハズレか! こいつを放出しようか悩むな。
いや、眷属は土トカゲであろうと放出はしない。
それが俺のクソ親父に対する意地だ!」
別の家族を取って、俺と母さんを捨てたクソ親父と同じようにはなりたくない。
女子たちに譲った眷属だって、俺のスキルで彼女たちの眷属としているのだ。
たぶん俺が死ねば彼女たちの眷属契約は無効になるだろう。
俺ありきの契約、つまりは俺がずっと譲渡した眷属たちの親なのだ。
「お昼ご飯出来たわよ。
あ、この子たちが竜卵から出て来たの?」
結衣が昼食の準備が出来たと呼びに来た。
「そうだよ。
どんな竜が出て来ても、替えてやらないぞ」
俺は冗談めかしてそう言った。
「別に良いよ?
ラキの方が小さくて可愛いからね」
どうやら、ティラノの格好良さや地竜の力強さ、モドキの……まあ良いや……それらが結衣には解からないらしい。
「大きいと厨房で邪魔になるからね~」
結衣はラキと見詰め合って、そんなことを言っている。
「この子は、ドラゴン?」
「ああ、こいつはモドキらしい」
「あーモドキなんだ。そうなんだ……」
結衣が可哀そうな子を見る目になる。
「差別はするなよ。立派な眷属なんだからな」
「そうだね。わかった。
水トカゲ2みたく育てれば強くなれるからね」
結衣も前向きに考えてくれたようだ。
持って生まれた才能が重要なんじゃない。
どんな才能でも生かす努力をすれば良いのだ。
俺のたまご召喚なんて、他の同級生に比べたら明らかにハズレスキルだと思った。
だけど、このように生かすことが出来ている。
何事もそういうものなんだろう。
「モドキ、俺はお前を見捨てないからな!」
この時の俺は、モドキが日本語だと思い込んでいた。
それが間違いだとも気付かずに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます