ENDmarker. 3α

 本当に、たまたまだった。

 普通の、今日。普通に始まって。普通に終わるはずだった。

 道を歩いていたら、誰かが倒れていて。しにかけだった。たぶん、近くのビルか何か高いところから落ちたのだと思う。

 自殺だったら、まあ、下にいる人を巻き込まないタイミングを狙ったのかなと。そんなことをなんとなく思った。

 どうでもいい。

 しにかけている人の顔を見て。

 理解した。

 分かりたく、なかったのに。

 夢のことを。

 全てを。

 その瞬間に思い出して。

 そう。

 すれ違った。あのとき。


「あなた、なの?」


 ちだらけで、しにかけで。

 ぐちゃぐちゃの、誰か。


「うそ」


 同性だったなんて。

 夢の中では、性別なんて関係なかったから。

 わたしは。

 あなたがずっと。


「まって。おねがい」

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