7
いや、あいつランカーじゃん。
眠い目を擦りながら学校の校門で待つ。
カイトと荒野人格をプレイしたのだが、あいつはランキング上位常連の有名プレイヤーだった。
実力差は歴然で、プレイについて行くのが必死。
情報を聞き出す余裕なんてなかった。
結局朝まできゃりーして貰い、徹夜になってしまった。
急いで家に帰ってシャワーと着替えだけ済ませ、早朝の校門に到着した次第である。
「もうそろそろ来る時間だ」
俺が待っているのは八足ヤツメ。
昨日のノブレスカイトの集会で見かけたクラスメイトだ。
「おはよう、どこ行くんだ?」
「ち!うぜーから掴むなよ、良い子ちゃん野郎」
俺を見付けたらしい八足は、校門の逆端からコッソリ入ろうとした。
急いで近付いて腕を掴むと、いつも通りの嫌悪感丸出しの表情をされた。
八足は所謂不良である。
と言っても進学校の不良なので、可愛いもの。校則違反して制服を着崩すとか、授業中に寝てるとか、程度の反抗である。
と思っていた訳だが。
「ノブレスカイトに参加してるのはマズいだろ?」
「オマエ、何でそれを!?」
八足は青い顔になり、周りを見回す。
周りの生徒は、『クラス委員と不良がまた何かやっている』程度に指さしているだけで、ノブレスカイトと言うワードに反応している様子は無かった。
「食堂にでも行こうか」
八足は舌打ちをし、乱暴に俺の腕を払う。
しかし、逃げ出さない所を見るに、快く同意は得られたと言った所だろう。
俺が集会で黒いジャケット達に追われていた事は、八足にバレていないようで助かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます